最初に書きます。オチはありません。
イフの未来編で、ゲーム本編内設定です。ジェイドアニス、ティアなど、出てないキャラ勢ぞろいです。
下ネタです。下品です。端的に言うと主人公が性転換(?)しちゃって、どういうこといやああああってお話です。ちょっと空気がピンクの桃色夢小説じみてます。気をつけてください。ほもほもじゃありません。

ある日突然このページが消えたら管理人が恥ずかしさに耐えかねたということでお願いします。





「いやああああああ!!!!!」

とある宿屋のとある部屋にて、最大規模の事件が発生した。
端的に言うと、こう、なんかが生えちゃった。




「う、うっ、う、う、うう〜」
とりあえず宿屋の一室にて、パーティーの面々は顔を合わせた。部屋のベッドに腰掛け、しくしくと涙を流しているのは赤髪の少女だ。その兄であるはずの少年が、おろおろと手をあげたり下げたりと忙しい。そう、基本的に少女はいつでもほがらかなのだ。そんな一応妹が人目をはばからずマジ泣きしている。これは動揺しろってものである。

そして少女の隣では、ティアとナタリア、アニスといった女性陣が彼女の肩を押さえ、なだめていた。「すぐに戻りますわ! 大丈夫ですわ!」「そう、そうよ。これくらい問題ないと思うわ!」「そーそー。はいいとこなお譲ちゃんな訳でしょ? いいとこのお坊ちゃんになったって考えたら結構いい感じぃ!」

全然よくねぇよ……とか、問題ありありだろ。という男性陣からの無言の突っ込みがあったが、そんなことは分からないミュウはひたすらご主人様や人様の足元をくるくると周り、「どうしたんですの? どうしたんですの? ミュウにはわからないですの!」 と心底不安そうに眉根を寄せた。そして可愛らしくお尻をぷりぷりしている首根っこを、ツンデレおじさんことジェイドが、ひょいっと首根っこをつかんだ。

「ミューウ? つまりですね。こちらのお嬢さんは男になってしまったんですね?」
「そうなんですの!? でもさんはどう見ても女の人ですの!」
「下半身に不審な物体がはえてしまったからですよ〜」
「おいジェイドォー!!」


いいやがった。言っちゃいけないことを、とうとういいやがった。ピタリとの嗚咽は止まった。ごくり、と部屋にいるもの全てが息を飲んだ。しかし、ミュウは止まらない。ジェイドの手からさっとのがれたミュウは、「みゅぅ?」と可愛らしく手のひらをふりふりさせた後、一生懸命に手を伸ばし、の膝へとのぼっていく。ぽすんっとの膝に座り込んだミュウは、「さん、さん」とちょいちょいと服の布をひっぱった。

「“ふしんなもの”って、なんですの?」


こくん、と首を傾げたチーグルを見た。ち、ち、ち、チーグルぅうううう!!! ジェイド以外のメンバーが心を一つにさせた瞬間である。
「あ、あのね……それはね……」 はにこりと、力なく微笑み、言葉が最後まで出なかった。彼女は生まれ変わった。世界もこえた。それでも、それでもまさかそんな、こんな経験をするなんて。

は再びぷるぷると肩を震わせた。そしてこう、まぁ言っちゃうと男性の局部がにょきっと生えた自身の下を見て、力なく、静かにうなだれた後、もう一回マジ泣きした。



なんでこんなことになっちゃったのか?


当然の疑問を、一人の大佐がきらりと目をひからせた。「そういえば、ちょっとした音素の実験でガイあたりに協力してもらおうと、昨夜ガイの夕食に一服もらせていただいたのですが、間違えちゃったのかもしれませんね」 いやぁ、世紀の大発見ですね、ハッハッハ。と笑っている。

「ちょ、旦那俺!? なんでだよっていうか何してるんだ!」
「だってそんな、に一服もっちゃったら、私はただの悪者じゃないですか」
「結局間違えてるんだから同じだろーが!!」

犯人責任とれ! 責任とれ! 責任とれー!! ですのー! というコールを大佐は見事に笑ってかわし、「それよりもみなさん、することがあるのではないですか?」とすいっとへと指をさした。「彼女を落ちつかせて、慰めるのが先でしょう」


ある種一理ある言葉に、なぜか慰め役として、この金髪。ガイ・セシルへと白羽の矢がたったのだった。


さすがのガイも、ちょっと緊張していた。っていうか何で俺が。もっとナタリアとかティアとか、まぁアニスだとか女性陣の方がいいんじゃないか……と思いつつ、なんだかみんな、「まぁガイでいいんじゃないの。はずれじゃないし」みたいな空気を漂わせて去って行ってしまった。

いやいや、とガイは思う。いくらが心配だろうと、彼女に近寄ることすらできない自分がこの場にいるのは、駄目なんじゃないだろうか。(そうだ、ルークだ……!) ルークならば! 一応弟……あ、違った兄だし! カッとガイは顔をあげて、今からルークを呼んでくると告げようとした瞬間、がぼんやりこっちを見ていることに気付いた。「……?」「ガイさん」「はい」

「まぁ世の中にはこんなこともあるかなぁ、って訳で納得しました。もう大丈夫です」


………………はやァ!!!

落ちつくのはやすぎだろ!! そんな、こう、下半身からはえちゃダメなものがはえたんだから、もっと慌てるんじゃないのか普通!! なんてガイは色々叫びたかったが、まさか被害者を刺激することはできない。ガイは「そうか、落ちついたんならよかった」とちょこっと顔をひきつらせながら微笑むことしかできなかった。

まぁガイが知る訳がなかったが、彼女は色々とぶっとんだ人生経験を歩んでいるのである。これくらいのことで動じてたら生きていけない。
かもしれない。

「まぁ性別が男になった程度で、問題ありません。これからはルークさんの弟として胸を張って生きようと思います」
「ま、前向きだな……」

いや多分、彼女はまだ混乱してる。発言がなんだか変だ。
ガイはハハハ、と苦笑いをしながらに近づいた。「そうか、男に、なったのか……」そういいながら、の隣にぽすんと座る。ぶっちゃけそれは自分が困る。(いや、何でって)好きな相手が同じ性別にかわって喜ぶ人間は少ないだろう。うーん、困った、困った。いやも心配だが困った……と二人してベッドに座っているとき、が「あのう……」と小さな声をあげた。「ん?」

「ガイさん、近くないですか? いつもより」
「え」

確かに。
いつもよりも近い。いつもならば、近づくだけでぶるぶると震え、恐ろしさのあまりに喉から溢れる叫び声も出てこない。ガイはごくりと生唾を飲んだ。まさか、これは。「ちょ、ちょっと、失礼」 よいしょ、とガイはお尻を動かしてみた。ほんの少し体が触れた。問題ない。「ごめん、もうちょっと」 ぴたりと体がくっついた。よ、よおおおおおおし!!!! と自分でも意味がわからずガッツポーズを決めた瞬間、ガイは気付いた。理解した。そして同じくも分かってしまったのだ。

「私が、お、男になっちゃったから、ですか、ね……」
「は、はは……見た目は全然……かわんないのにな」

何故だろう。ガイは瞳から涙があふれるのを感じる。好きな女の子に初めて触れたそのとき、彼女は男になっていました。
ち、ちくしょう。離れがたい、そして未だにこの密着を楽しむ俺の馬鹿野郎! とガイは拳を握る。でもちょっと感動している。

正直妙な空気になってきた。先ほどまでポロポロ涙をこぼしていたからか、真っ赤なお目々をしていたは、こしこしと目をこすった。そうして、「そうですよね、全然変わってないのに」と自分の胸をぷにっと触った瞬間固まった。「ん? どうした?」とガイも一緒に固まり、自分の(男になったはずなので、今はあるはずのない)胸を触って動かなくなってしまった彼女を見た。

ここは空気を朗らかにしよう。とガイもちょっと混乱した。「男に、なっちゃったんなら、ここもなくなっちゃったんだよな」と言いながら、人差し指を中指で、ぷにっとの胸辺りを触った。問題なく、ぷにっとしていた。「…………」「…………」ぷに……ぷに……ぷに、ぷにぷにぷに。「あの、ガイさ」「う、うわあああああ!!」

ごろんっとガイは顔から床にダイビングする。そうだ、よくよく見てみれば、胸のふくらみは変わっていないではないか。今彼の人生で初めて触ったそれは問題なくぷにぷにしていた。いやしかし、彼女は男になってしまったのではないか。確認する勇気はもうとうないが、彼女には、しっかり自分と同じ棒と玉がついてるはずだろ!! とかガイは珍しく下ネタ方向の思考へと流されていく。いやいや、ちょっとこれは……まさか。ガイはハッとした。「巷でいう、パット!」 この頃は本物と変わらないと聞きますが! 

「い、いえ、本物です……」

きゅーっと自分自身を抱きしめて顔を真っ赤にしているは、床に尻をつけたままこちらを見るガイをベッドに座ったまま見下ろした。「いや、私も何で気付かないのかというお話なのですが、なにぶん混乱していたみたいで」取りあえず台詞だけ流暢にころころと流す。頭の中はお互いクエスチョンマークでいっぱいである。「えっと、つまり私、男になったというよりも、その、はえただけ……下がかわっただけ……なのでしょうか」

「た、たしかに、声も見た目も変わっていない……っていうかすまない! 本当にすまない!」
「い、いえ。減るものじゃありませんし」
「いやそういう問題じゃ……! あーもー俺は、本当に、くそう!」

とかなんとか言ってガイはがつん! と床に頭をぶつける勢いで頭を下げた。なんてことをしたんだ、俺は、なんてことをと。彼は本気で悔んでいた。レディに、そして想いをよせている相手に、なんて心ない行為をと。そう、考えているはずなのに。(なんで俺の鼻の下はこんなに伸びているんだッ!!!) のびのびである。

にこんな顔を見せることはできない。と思い、ガイは床に拳を打ち付けるように手を伸ばした。そして顔を下に向けた。こんな、彼女も傷ついているというのに、俺ってやつは、俺ってやつは。心の底で、この状況をありがたがっている……!!

しかしはそんなガイの心情に気づく訳がない。ガイさん、そんなに真剣に悔まなくても私はそんな気にしてないですよ、大丈夫ですよ……! という気持ちを伝えることに精一杯で、あわあわと床に拳を打ち付けるガイの隣へと移動する。そして、そっと彼の背中へと手を伸ばした。


(うおっ!?)

そのことが彼の動揺を誘うとは知らずに。



ガイは混乱した。そう、女の子(?)いや、心の上ではしっかりと女性な女の子にこんな至近距離で、そして触られるのは21歳男、ガイラルディア・ガラン・ガルディオスは、一体どれだけぶりであろうか。思春期真っただ中なあの頃は苦労した。女性が好きなはずなのに近寄れない。触りたいのに触れない。そんな地獄を通って来たはずの彼、ガイラルディアはある種、達観していた。これはしょうがない。俺は賢者になろう、仏になろう。煩悩を捨て去ろう。ときどき溢れてきちゃうが頑張りましょう! と思って、その年齢にあるまじき紳士的な男となりまくってなりまくってなりまくったはずなのに。

「ガイさん、ガイさん、ほらそんなに気にしないでください、ね?」
ヨシヨシ

ちゅどーん、と彼の中の防波堤が木端微塵に砕け散った音がした。紳士? なにそれ。ジェントルメン? なにそれ。男、ガイラルディア・ガラン・ガルディオス、ただいま21歳、れっきとした(別の意味での)食べざかりなんですよ……!!


ガイはガッと振り返り、床に腰をついていたを勢いのままガッと抱きしめた。「おわっ」とが驚いたように声をあげた。ぎゅっと抱きしめる。いい匂いがする。小さい。幸せだ。下半身に何かがはえちゃった? 問題ない。いや問題あるけど、そんなもの根性で元に戻る……! 戻んないなら戻んないでしょうがない! それをひっくるめて、全部好きになってやりますから……!!
男ガイラルディア、もっかい言いますが食べざかりです……!!


きゅーっと無言で抱きしめ続けるガイに、はパチパチと瞬きを繰り返した。そしてどういうことだろう? と考えて、なるほどと頷いた。
(ちなみにそのときガイは、胸がぷにぷにあたって気持ちいいなぁ、と考えていた)

「ガイさん、慰めてくれてるんですか? ありがとうございます」

にこっとこちらを見上げて微笑んだ少女を見て、ガイは固まった。「え? ああ、え、え?」と声がどもる。
しゅるしゅると色んなものが抜けていく音に気付いて、ガイはほんの少しずつ体の力を抜いた。そして座ったままから後ずさった。「俺、自己嫌悪で死にそうだよ」「え? ガイさんは、いっぱい慰めてくれましたよ!」

ね? と反対にこっちが元気づけられている。こなくそー、というところである。ガイは力なく苦笑した。何が胸がぷにぷにあたって気持ちいいなぁ、か。変態か。
やっぱりこの場は女性陣に変わろう。そして、もだいぶ落ち着いてきたようであるし、元の元凶を呼んで解決法を考えようではないか。そう思ってガイが腰を上げた瞬間、「あっ」とが唐突に体をもじもじとさせた。ガイは、「どうした?」といいながらを見る。

は顔を真っ赤にさせたまま、手のひらを口元へと移動する。そして「あの、どうしましょう」とガイに助けを求めるように呟いた。

「ん?」
「あ、あの」
「うん」
「トイレって、どうやってしたらいいんでしょうか」

何故だかガイまで赤くなったあと、「ああー……」と彼は手のひらで顔を覆った。とりあえず、いろいろと困難が待ち受けていることに気付いて、彼はまた深いため息を一つついた。「ああー……」


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                         アトガキ

さすがに続きを書いたらまずいことになるとぶったぎった。変な方向に行くところだった。あぶないあぶない……

2010.01.08
1000のお題 【907 未知との遭遇】

→続き書いたら変な方向に行きました。
(R指定)