がたん、がたん、がたん……
揺れる馬車の中から、外を覗いた。見覚えのある景色が近くなってくる。 膝の上に置かれた、たくさんの手紙を抱きしめた。 几帳面な文字で書かれた彼のその文面を、何度も、何度も読んだそれだ。 やっと会える。会うことができる。
嬉しくって、たまらなくって、瞳を強くつむった。
あと、ほんの少しだ。