ぽかぽか。
さっきまでの冷たさとうってかわっての暖かさに、俺はぱっと目を覚ました。
クールな感じ(拾われました)
「あ、起きた、よかった」
目を開けば、記憶の底で最後に見た女の子が、こっちをぱっと嬉しそうに見つめていて、なんなのお前っていうか俺いったいなんなの。気のせいか、どっかで見た事のある女の子は、「目が覚めなかったら、どうしようかと思ったよ」と心底ほっとしたような声で、俺に手を出した。
なんなのお前、俺がどうなろうとお前には全然関係ないと思うんだけどって言葉は、可愛らしく「にゃー」って言葉にしかならなかった。
「うん、元気になってよかったよ」そのどっかで見たことのあるソイツの手が、俺の射程範囲に、シャキーン! 触らないでよちょっと。
めんどいけど振り上げた手は、そいつの指先に当たって、ぴっと小さな傷をつくる。浮き上がった赤い玉を見て、そういえば、今の俺の手はとてもとがっていて、触るだけでぶすぶすとなってしまう事を思い出した。
その、どっかで見た事のある女の子は、自分の手をじっと見つめた。やっべぇ怒られる。いや怒られてもいいんだけどめんどいし。じーっと見つめたまま、女の子は、こっちを、ちらっと向いて、
「うん、大丈夫だよー」
へらっと浮かべた笑みは、普通に可愛かった。つかなんで俺のこと怒んないんだろう、と思った(犬にやられたら俺ぜったいキレるねマジで)
(あ、そういやこいつ、同じクラスにいた気がする)
10000のお題 【686 爪の先に灯す】

2008.02.02
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