「お前って、案外バカなのな」
この一言が全てを狂わせた。


第1話  沸点の低い怒りゲージ




「…? 今、なんて」
「バカなのな」

真っ白の紙に赤いペンの後が幾つもつく紙を手にしながら、こいつにいわれた「バカ」という言葉を頭の中でぐるぐる回す。

目の前にいる、黒髪タレ目は、私のその白い紙をみながら、ふふん、と鼻で笑った。

「い、今、鼻で、鼻で…!」
「平仮名を間違えるヤツはバカっていうんだよ」
「ちがっ…、漢字も間違えて」
「もっとバカだな」

ばか ばか ばか

一つの何かが、頭の中を埋め尽くす。

キーワードはバカ

ぷつんっ、と何かが切れる音が、私の耳へと響いた。


1000のお題 【975 沸点の低い怒りゲージ】





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