ちょうどつまらない授業だったから。


巨乳




いや、ぶっちゃけ簡単にいったら、俺は弁当と体育とサッカーしに学校来てるようなモンなので、つまらない、なんて事はニチジョーサハンジってヤツでして。
隣でカリカリ真面目にノートを取ってるタクとか見ると、ありえねー、とかよく思う。

俺ってもーダメ。
数式とか見てても、眠くなっちゃうのがオチ。

そんな俺にとっての最高の座席は、一番後ろの窓側の席。
俺って中々くじ運とかいいみたい。隣がタクってことも中々いい(時々お小言とかでうるさいけど)


まあ、そんな訳で、特にどんな意味があるって訳じゃないけど、覗いたガラスの先は、一つ上の学年の女の先輩達が、トラックを何周も回る様。
見ていて目が回りそうな、いっしょくたになって走るみのむし達のちょっと先に、なんだか無駄に早いスピードで走る先輩が一人。ついでにその後ろで、ビックリしたように追いかける人も一人。

「あ」
あの人って。


自分でいうのはアレだけど、俺って結構視力がいいと思う。
そんな素敵な俺の視力が捉えた先輩。確か球技大会で見た、あの、三上先輩がお熱って話の、


「…さん?」
「誠二、何ぶつぶついってるわけ?」

ぼそっ、とホントに小さな声だったハズなのに。
早い。ちょっと早いぞタク。

「タク、あの人、さんだよな」
(タクが怒るから、ちゃんと小さな声で話しかけてる俺)


怒ったみたいなタクの目つきが、窓の外に投げかけられた途端に、ふわりと優しく円を描いた。まあ、ちょっとの差ってヤツだと思いますがね。きっとクラスメートとかじゃ、俺くらいしか分かんない(っていうか、そうか、あの人がさんか)


「三上先輩が、さん見てる」
「鼻の下でも伸ばしてるんじゃない?」


(ツッコミが厳しい)(つーか、ちょっと待て)(もしかしてもしかして)


「あのさ」
「ん?」
さんって、普通に可愛いよな」
「そうだな」
「先輩にお似合いだよな」
「…そうだな」


小さく、小さく、眉間にできた皺(何度もいうけど、これはきっと俺にしか分かんない)
あれだよ、俺、ぴーんときた。



(俺は、一応心の中じゃ、お前応援しとくよ)




それは、ひっそりと、ひっそりと。






「ところでタク、さんって結構いい体つき     イデーーーー!!!」
「藤代なんだうるさいぞ!」
「先生すみません、藤代くんはちょっと朝から腹痛が…」
「そ、そうなんですごめんなさーい(今、今タク思いっきり足…っ)」
「さ、先生、授業を続けて下さい(は? 何かいった? 誠二)」



(果てしなく黒いよ…っ)




1000のお題 【177 巨乳】







2006.10.12