ただ、なんとなくで、


雉も鳴かずば撃たれまい




心ここにあらず     なんて言葉が、アリエナイくらい似合っているソイツに、ひっそりと俺はため息を吐いた。

(何、何なわけ)
(藤代となんかあった訳?)
(なんだよ、なんなんだよオイ)

只、無心に、ほうきをパタパタと振り回す。床が全部綺麗になってしまったら、すなわち、ちりとりを持っているの所に行かなきゃなんねぇ訳で。

(今、話す自信ねぇ)

情けない事に、これがまた。


いつもの自分じゃありねぇえくらい丁寧に、丁寧に。
けれども、終わりってのは、どんなものにもつきもので。


「みかみー、ゴミ、集まったんじゃないのー?」
(確かコイツはの親友だ)

んな事分かってんだよ、ちょっとは足りない脳みそで考えろ!
ああもう、これじゃのトコに行かなきゃなんねぇじゃん。どうしてくれんだよ!

「…わーったよ」

心とは裏腹に、一歩一歩、に進むごとに、ドキン、ドキンと。

(…俺って正直者)

アリエナイ、サイアク。


おい、いつまでぼーっとしてんだよ。
俺が居るの目に見えてねぇのか。
見ろ。

見ろ。


俺を見ろ。



「おい、只でさぇ、ぬけてんのに、んな顔すんな」
(なんでこんな厭味しかいえねぇんだよ俺…っ!)


けれども出した声は、後戻りなんてできない事くらい知っている。
只、彼女の反応を待つのみの、俺は、ヤバいくらい。
(…心臓破裂したらどーしてくれんだ)


「み、三上亮のばかやろー!!」



俺の頭に、ちりとりと一緒に降ってきた。





1000のお題 【749 雉も鳴かずば撃たれまい】







2006.10.14