さんの名前、呼んでやったらいいんじゃないか?』

なんでお前に言われなきゃなんねぇんだよ


そうか、わかったぞ




只、イライラを抱えた時限爆弾だ。
あと一歩、道を間違えたら、俺は今爆発するだろう。
何でお前がの事知ったかぶりしてんだよ、とか。そんな事で俺は怒っている訳じゃない。違う、絶対違う。

今、を見つけてしまったら。
絶対に爆発する。ヤバい。ヤバすぎる。

ずかずか歩く、寮への道。
無駄に広い学園が、こんな時だけ嫌気がさす(さっさと部屋に帰らせろっつーの!)


ところで、お前ら、知ってるか?
こんな事だけは起きて欲しくないって現実。
案外簡単に起きるんだ、って事を。


「…なんでいんだよ」

もう少しってトコだったのに。風のように、駆け出す影を見つけた時はもう遅い。俺の意識とは裏腹に、勝手に動くこの体は、とても正直だ。褒めてやりたいくらいだ。そんでもって、案外速いの足なんて、軽く追いつくほどの俺の身体能力と一緒に。

掴んだ腕の先は、とても儚い(崩れてしまいそうで)



さんの名前、呼んでやったらいいんじゃないか?)



植木の影に連れ込んで、只、腕の中に閉じこめた。



耳元で、ふ、と声を掛ける度に、どんどんの顔は真っ赤になってゆく。
なんで俺、こんなに気持ちが落ち着いてるんだろう。
笠井にも、何もかも、勝ち誇りたい、この紅潮はなんだろう。

(全然、抵抗しないな、コイツ)

「なあ、

(なんで抵抗しねぇんだ、コイツ)

「お前って、もしかして」

(俺、何いってるんだろう)
(待て待て、俺)
(それ、シャレになんねぇって)


「俺の事、好きなのか?」






(絶対、普段の俺だったら、こんな事いわないはずなのに)




1000のお題 【586 そうか、わかったぞ】





2006.10.14