噂では知っていんだ。


見つけたストーリー




三上先輩が、その子にお熱って事は知っていた(何でかというと、一回その子と三上先輩が話してたの見たことあるしー)(っていうかセンパイそんときけんか腰だったけどね!)

超珍しい、園芸部員って事も知っていた(形だけの部活って感じで残ってたんだよね)

その子が結構可愛い子って事も知ってたし、タクが時々気にしてるのも知ってたっていうか。それが何でこんな事になってるんだろう、とか思って、俺は真っ青な空を見上げた。


「先輩、ちゃんと、真面目に、やって、クダサイ!」
「マジメだもーん、俺超マジメー」
「もっと、らぶです、らぶを込めるのです!」
「rave。アール、オー、ブイ、イー rave!」
「…つづり間違ってます」


むむっと寄せた眉に、ついでに俺も真似っこようにむむっと眉を寄せてみた。けれども暫くするとピリピリしてきて、あ、もー疲れた、と言葉と共に叫んでみたら、思った通り、ギロリと射抜かれたのだ。


「先輩が、悪いんです。せっかくきれーな花壇だったのに、サッカーボールぶつけて来て!」

怒ってるんですから! と叫び混じりにいわれても、全然恐くなんてない。
顔に似合わず、中々熱血タイプだったのか、と思うと、何かそれって俺と似たもの同時じゃね? と何故か嬉しい気持ちになる。


「ほら、マジメに、穴埋め、穴埋め!」
「ういー」

ぽんぽん、とかぶせる土と一緒に、爪の中に小さな砂粒がいっぱい入り込む。
なんか気持ち悪い。とか思っても、隣でむむっと眉を寄せてる女の子の方がよっぽど気になる。

「せ、ん、ぱ、い!」


取り敢えず、また明日もここに来よう、となんとなく思った。
理由はガーデニングに目覚めました、とでもなんとでもいって。

ぐわりともっかい見上げた空はギラギラ光っていて、ぼんやりと考えた。



(ついでに、俺の名前は誠二っていうんだ、ってこの子にいおう)




1000のお題 【366 旅立ちの朝】





2006.02.01