ざわり。
風の音がした。


唐突で悪いんだけど




「あのさぁ、俺」

じーっと見つめられる瞳が痛くて、目をそらしてしまいそうになったけど、藤代先輩の瞳がそれを許さない。その鋭い、キバというキバで私を掴んではなさない。

ピシピシと先輩から流れる風に、耳を塞いで、背中を見せて、走り去ってしまいたいと思っても、そんな事、できやしない。


「俺さ」

聞きたくない。
なんとなく、直感で、そう思って


「俺さ、ちゃんのこと」

ききたくない


するりと、ひゅうう、と、風がながれて


「すきだよ」



バカみたいに、カラカラに渇いた喉で、泣きたい気持ちになった。




1000のお題 【269 何の脈絡もない】





2007.02.05