、付いて来んな」
「やー!」

は、小学校に入った。俺は5年に上がった。

子どもは外で遊びましょう




どうやらこの頃は、反抗という言葉を覚えてしまったらしい。いや、今まで文句一つもなかっただから、反対に、この成長を喜べばいいのかもしれないが。
けれどもこの状況は、どうだろう。

まず俺は、自分の家へとサッカーボールを取りに行った。近所の奴らと蹴り合うからで、今から俺は、公園へと行かなければならない。
なのに、だ。

家に帰ると、何故か堂々と居座る。くるくるした目がまた可愛い、じゃなくてだな……おい、母さん、勝手に入れんなよ。すると母さんからは「ちゃんならいいじゃない」という言葉が返ってきた。

俺が、公園へ行こうとする。がぐずる。そのまま放っていこうとしたら、ぐいっとズボンをひっぱって離れない。案外力強い引っ張り方に、俺は思った。(ヤメろ、ずれる。見えたらどうするんだ)


それで、冒頭に至る。


「放せっつってんだろ」
「やー!」
「俺は公園に行くんだよ」
も、いく!」
「アホか」
「いくー!!」

ダメだ、会話が繋がらねぇ。

はぁ、と息を吐いた。

(奥の手、使うか)
これは使うのに、自分も勇気がいる行動だ。

すう、と息を吸って、「」と小さく呼ぶ。


「俺、わがままなヤツは、嫌いだ」


ストレートこそ一番とは、誰がいった台詞だろう。取り敢えず、じろり、と目を見ながら、いってみた。
しーん、とした間の間に、小さくが「きらい…」と呟く声が聞こえる。

もう一回、がいう。「き、きりゃ、い」……ちょっと待ていえてない。
「ま、ましゃきく、のこと、き、きりゃ、」……もう何いってるか分からない。

ほんの少しずつ潤むんでいく瞳に、どうしたもんか、と思う考えの他に、(…泣いてるかわいいな)とか思っている自分が情けない。
ますますぺったり俺にくっついて放れなくなったに、一つため息をつくと、ビクンッ、との体が震えて、おそるおそる俺のズボンを放す。そのまま上目遣いに俺を見た。

のこと、きりゃいにならないでぇ」
(なんだこの可愛い物体は)

ひくっ、としゃっくりのような、息をして、真っ赤な目をなんどもこする。俺よりも小さなこの物体は、泣いてないよと言いたげなポーズをする(……いや思いっきり泣いてるな)

はぁ、ともう一回ため息をついた。またビクリとが震えた。
すい、と俺はに手を伸ばして、ぽすりと柔らかい髪の上に手を置く。ビクリ、とまた震えたに、俺は小さくいった。

「帰ったら遊んでやるよ」



随分可愛らしい妹ができたもんだ、とこっそり思う。




1000のお題 【924 子どもは外で遊びましょう】







2007.08.11