がすっ
ベタベタ
背中から誰かにつっこまれた。軽い振動に、俺は手に持っていた文庫本を、ばさりと落としそうになって「うっ」と短い声を漏らす。地味に痛かったのに、そのつっこんだヤツは、「まさきくーんっ」と頭のさきっちょをぐりぐりぐり。
どうやらの中のマイブームが、それらしい。ぐりぐりぐり、とくっつけた後に「あのね、あのね、ね、」とほんのちょっと間をおいて。またかよ、と俺は思ったけど、「なんだ」うふふ、と声が聞こえた。
「まさきくんのこと、だいすきなのよー」
(いったいどこで聞いてきたんだか)ふー、とため息をつくと、ぐりぐりと頭をすりよせる張本人は、むう、とどこか不満そうな声をあげる。
はいはいわかってるよ、と心の中で思って(まったくこのお姫様はすぐ不機嫌になる)「ねー」「はいはいってば」「まさきくんはー」
背中にくっついていたは、俺の背中をアスレチックか何かと勘違いしているらしい。よじよじと登り初めて、肩の上からにゅっと顔を出す。(……本が読めない) 服がぐしゃぐしゃと皺になった。
「ねー、まさきくんー」
ぱたん、と本を閉じて、床へと置く。
そんで横から顔を出すの腰に手を回して、危ない事はやめろよなと。
「へぇへぇ、俺もダイスキですヨ」
1000のお題 【495 ベタベタ】

2007.12.06
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