「何やってんだ、」
「あ、柾輝くん」
地図の切れ端
俺の部屋にどどーん! と乗り込んできて、国語の宿題いっしょににしよう! と嬉しそうに、分厚い教科書と何枚かの紙を抱きしめて。正直小学校時代も、今もまったく宿題をしていない俺がいうのもアレなのだけど「、宿題は自分の力でしねぇと意味ないぜ?」 ぶっちゃけ半分面倒くさくてそういうと、はきょとん、として「柾輝くん、もーわかってるよー」と手をパタパタとさせてケラケラと笑う。軽くあしなわれた(……)
フローリングの上にごろん、と寝っ転がって、紙を数枚バサバサバサ。「そんなトコでよく書けるな」「だって机は柾輝くんがお勉強するでしょ?」「(しないけど教育上悪いので)………まぁ」
真っ白な紙の上に、えんぴつで(懐かしい。今じゃシャーペンしか持ってねぇ)くるくると線を引く。…………お前は、一体、「何を描いてるんだ?」
「地図」
「地図?」
「うん」
「お家の周りの地図を書いてきなさいだって」
ふうん、と俺は頷いて、じっと見てみた。(机の椅子に座りながらだ)(柾輝くんは勉強しないの? とこの頃よく聞いてくる)
ああなるほど。ちょこんと小さく、屋根の線が二本ひかれてるのは、俺も昔描いた事がある(気がする)家だ。っておいおい
「ちょっと待て」
「どうしたの、柾輝くん」
「そこはの家じゃない、俺の家だ」
二つ並んだ家のマークの片方に、大きくやじるしで『おうち』
どうせとなりなんだからどっちでもいい気もするが、周りの地形と合わせると、それは確かに俺の家。スタート地点から間違っててどうする。どうする。
といったら、ぷっと頬をふくらませて、「まちがってないもん」だから間違ってるって。 宿題間違っちゃだめだろ(俺がいえた台詞じゃないが)
トントン。が軽く、書きかけのその地図をトントン。「ここはね」
「と柾輝くんのお家だから、間違ってないよ」
1000のお題 【499 地図の切れ端】

2007.12.06
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