ぴんぽーん

「久しぶりやん柾輝ー!」

ばたん


賓客




がちゃり

「ちょ、何で閉めるんやひどいやん!」
「僕を追い出すとはいい度胸してるよね」
「まぁまぁ、柾輝の都合もあるんだしよー」
「兄貴は柾輝にいっつも甘いよなー」

「……………お前ら何しに来たんだ?」


中学を卒業してからというものどこか懐かしいメンバー(一部を除いて)(その一部は今でもサッカー三昧だ)を、自分の家の玄関越しに見て、一瞬意識が飛びそうになった。なんだお前ら。なんでいるんだよ「柾輝の家くんの俺初めてやわー!」………イヤな予感がするから上げたくなかったんだよ。

さっさと追い返せばいいかもしんねぇけど、悪いなぁ、といった目線でこっちを見てくる畑兄弟を追い返す程俺は鬼じゃないし、そもそもギラリと目を光らせて、まさかお茶の一つもない訳? と語りかける、中学時代からほとんど身長の変わらない女顔を追い返せるほど、俺の神経は図太く出来ていない。もう関西弁だけ、どこか適当な所へとほっぽり出しちまおうか。…………ナイス案だ俺。

「あれれ、柾輝さん、おともだち?」


トントントン、と背後から聞こえる小さな足音に、嫌な予感が、十割り増し。さっきまで宿題をしていたせいか、シャープペンシルを持ちながら、いつも通りな笑顔を、にこり。

「柾輝、妹なんておったん?」と訊いてくる関西弁については予想済み。おおー、と二人で同じ驚き方の兄弟も予想の範疇。
問題は、


「…………かわいいな」


ほんの少し、頬を赤らめて、自分の身長よりも小さな俺の幼馴染みを見つめる、翼に、だから来て欲しくなかったんだよ、と思った。



1000のお題 【242 賓客】







2007.12.30