「授業参観?」


入浴シーン




そう。とうなずきながら、は羊羹をパクリとほおばる。それはさっき、自身が、俺と翼にお茶菓子だといって持ってきたはずだったんだが、なんだそれ、自分で食べるつもりなのか。仲良くテーブルに三人座って、翼は普段じゃ想像もつかないような表情で、とろんと眉毛を垂らしている(どうせあの顔は、ちゃんは羊羹をほおばってるのも可愛いな、だろ)(どこのバカップルだお前は)

「うん、授業参観。柾輝さんよろしくね」
「おう、分かった」
    ちょ、ちょっと待った」

いつもよりも遅い反応で(とろんとしていた所為に違いない)翼がはっと顔を上げる。「なにその会話」 何っていわれてもな

「お母さんはお仕事が忙しいから、柾輝さんに来てもらうんだよ」
にっこり

「そうそう」
ニヤリ

「なるほど」
うんうん




「って普通におかしいだろ!」
バシン! 机を叩いた反動で、羊羹の皿がからん、と揺れた。ビックリして目を開けているらしいの方を、翼ははっとした目で見て、小さく「ごめんちゃん」
ごほん。仕切り直しに翼がついたため息の後で、こっちをジロッと見つめる。(……態度が顕著に表れすぎだろ)「いいか柾輝、授業参観ってのはその生徒の両親もしくはその兄姉が行くものだ。それをなんでお前が行く事になってんだよ!」


ぱくり。もしょもしょ

が羊羹をかみしめる音だけが聞こえる。「……そんな事、いわれてもな」もしょもしょ「うんうん、ずっと前から、柾輝さんだし」「さすがに最初は、俺もどうかとは思ったけど、いまさらだしな」もしょもしょもしょ

ありえないだろ。呟いた翼の声の語尾が微妙に震えていた事が、なぜだか申し訳ない気分になる。(フォローしとくべきなのか?)

「あれだ翼、俺はの保護者みたいなもんだし」
「うん柾輝さん、お父さんよりお父さんみたい」

沈んでいく翼を見て、ちらりとと目を見合わせると、がきょとんとした顔で、「翼さん、どうしたの?」「なんでもねぇよ」
ふうん。どうでもよさげに呟いた声に、(……翼、お前かわいそうに)

「……そういえば、小学校はつれてってもらったよね」
「そうだな」
「卒業式、参加してくれた」
のおばさんとおじさんが仕事だったしな」
「あとえっと、」
「おう」
「あ、そうだ」





「お風呂も、一緒にはいってたよね」



ぷつん、と切れた音が聞こえる。「マサキイィイイィイイ!!!!!」
あ、自爆





1000のお題 【490 入浴シーン】







2008.01.14