「柾輝、いっとくけど、俺はちゃんが好きだから」


仁義なき戦い





「いまさらじゃね?」




そういおうとしてやめた。ギラリと光る目で、唯でさえでかい目を、それ以上にもでかく開けて、噛みつくように視線を送る。今更だ。その言葉をいわない代わりに、俺はどんな言葉をいえばいいのかとふと考えた。マシンガントークのオトコといわれるコイツが、文章一言分だけ発して黙りこくってるなんて、奇跡に近い(かもしれない)
つまりこれは、俺の反応を待ってるんじゃねぇか?
(………つってもな)

ここ一年ちょっと送られ続けた熱い視線に(もちろん俺へじゃないが)気づかない程バカじゃない(別にがバカといいたい訳でもない)
そんな事、聡いコイツは分かってるはずだ。そんな事、分かってるってことぐらい。


ポリポリポリ
特に言葉もないので、頬をひっかいて考え込んでしまった。「…そうか」そして面白くも何ともない言葉までいっちまった。

ふんっ、と軽く鼻で笑う音が聞こえる。今まで何度も聞いた事がある音だ。やりなれているだけあって、様になってんじゃねぇか、といつも俺は思うが、口に出した事は今のところない。


「柾輝はいいワケ?」
    なにがだ
「俺がちゃんに好きっていっても」
    何でダメなんだ



「本当に、いいんだね?」



翼の好きにすりゃあいい

そういおうとしたけれど、口の奥の方につっかかって、俺が出来る事は、眉間に集めた皺を、より一層深くすることだけだった。





1000のお題 【428 仁義なき戦い】







2008.01.15