ちょっとした話


風の通り道




ひゅるり、と風が舞った。
ピシピシと私に風がぶつかる度に、私はぴくりと体を動かす。

(クーラー、寒い…)

周りの人たちは寒くないんだろうか、とか。
丁度私の席が、一番風が当たる所なんだ、とか。

正直そんな事はどうでもよくて、自由席だからといって、適当に座ってしまった自分に腹が立った(私のバカ!)
他の席はもういっぱい。その上もうすぐチャイムがキンコンカンコン♪

(せめて、隣に人がいたら、違うんだろうなぁ…)

ぶっちゃけ風よけ、なんだけど。
ぶるり、とまた体が震える。きゅ、と目を瞑った(だって寒い!)
いつもは涼しい半袖制服がとっても憎たらしく思えた(だって寒い!)


その時となりでガタン、と音がする。

ピタリと風が止まった事に、ビックリして、目を開けて、隣を見た。

キリッとしたつり目に、真っ白いYシャツで、
(真田くん…)


「あ」
キーンコーン、カーンコーン

ありがとう、という気だったのに、私の声はチャイムにかき消されてしまった。




1000のお題 【134 風の通り道】







2007.03.04