真っ白いカーテンに、真っ白いシーツ。
真っ白い壁に、真っ白い白衣。
白ってのは、人の心を穏やかにする作用があるらしい。
その美しさは薔薇のよう
「宍戸くん、キミはこの状況をどう思う?」
「…どうって、おい」
くいっとありもしない眼鏡を上げるフリをして、片足を組んで、どっしりと座ってみる。
その先には私と同じ丸くて足が4本生えた、ちんけなイスへと腰を下ろしている彼の姿。
ちろり、と壁に貼られている当番表へと目を這わした。
『宍戸・』
同じクラスだという事と、同じ委員だという事で、その場にちょこりと居座る私達。
「やー、怪我人、来ないねー」
「そうそう来るもんじゃねぇだろ」
私が嬉々と両手に持つ脱脂綿をじろりと見つつ、さらさらキューティクルな彼はそのままグラウンドへと目を向けている。ああ、そういやキミもあのアホと同じテニス部員だったね。あまりにも常識人の空気を醸し出していたので、すっかり忘れていたよ。ははははは。
(ちなみにが先ほどから説明口調くさいのは、学者気分に浸っているからだ)
さてさてココでくえすちょん!
滅多に来るはずもない怪我人さん。なのになんで、当番制?
………保険の先生は、どこに居る?
「やー今日はあのアホの日だよねー」
「…そうだな」
「アホの『俺様の美技に酔いな…』って案外見物だよねー」
「…そうだな」
どうせ、誰も来ないのだ。と放り投げた脱脂綿の行方はどこに。
ガラリと開けた窓からは、心地よい風が部屋の中を駆けめぐる。
「…そろそろか」
さわっ
大きな風が、辺りを舞った
「「「「「「キャーーーーーーーーvvvvv」」」」
「うっ」
「たたたた大変だ!! 田野中の鼓膜がっ」
「素敵すぎるわ、あとべ様ー!! ぶふっ」
「イヤーーー! 吉崎さんが興奮のあまり鼻血が止まりません!!」
「あゆみさーん!! 寝てはダメ、寝てはダメよ、死んでしまうわ!!」
「誰かーーーー! マヤの意識が、意識が戻りません!」
遠くで聞こえる、素敵な響き達。
「いいなぁ、あっち、楽しそう…」
「………そうだな」
そして先生激しく大変そう
1000のお題 【175 美しさは罪】

アトガキ
このお題は跡部のものだと確信しました。
2006.12.31
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