ぴんぽーん
第21話番外 微妙な再会(彼の場合)
滅多になる事のない、橘宅でのインターホンが華麗になる。ご主人様は帰宅中。こないだのヒトミさんのときといい、拍手を送りたくなるくらいのタイミングの良さです。狙ってるんじゃないでしょうかねあの人は。
「はいはいはーい、おまちくださーい」
誰に聞こえてる訳でもないけど、なんとなく。
ぱたぱたぱた。
そのとき、自分は急いでたのかもしれません。誰だか確認しないで、ガバリと扉を開けるなんて、ルール違反。しかも雇われ主のお家で。
けれども、それ以上に、妙に気持ちが向上していた。
ガチャッと扉が開く音がする。それと同時に、ギギギッと鉄が擦れ合う音。
すっかり開けたとき、そんな音は一切しなくなったのだけど。
「 っ!」
「お久しぶりです」
にっこり、と彼はあまりにも無垢な笑顔を浮かべて、小脇に小さな鞄を抱え、 ちゃんと手土産つきで、ご挨拶に参りました、と、また、にこりと彼が微笑んで、クリーム色の、随分長くなった髪の毛を揺らしながらいった。
アトガキ
手土産は本編でよろしく。
2007.03.28
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