随分前の主人公への質問企画として、
「時田くんと主人公の出会いは?」といったものを頂きました。



00話番外  初めてお会いする





「遅刻遅刻!」

パタパタと走る自分の足音とか、後ろから頑張って追いかけてくる影さんやらにも思わず「もっと頑張ってください!」と無茶な事をいってしまうぐらい、自分はどうやら焦っているようです! ぐるぐると回るようなお腹の中の感覚に、ううう、とそのまま座りこんでしまいそうで、口元に咥えた食パンを、ぎゅ、ともっともっと噛みついてしました。


丁度その時のことです。あんまりにもパンと影と、足音に気を取られていたせいか、どすんっ、と曲がり角で誰かに    どすん

思わず弾かれた自分の体と、おしり辺りと、ぺろーんと飛んでいった食パンさんが、あああああ。目の前の、どすん! とぶつかってしまったその人のお顔に、どうやらぺったりとくっついてしまったようで、べとべとはちみつたっぷりなハニートーストは、綺麗な薄い紫色をした彼の長い長い髪の毛にも、べたり(あれ、彼女でしょうか)

「あ、あの、すみません、その自分、急いでいまして」
「……あ、いえいえ、私の方もいささかぼうっとしてしまっていたようで」
「(やっぱり男の人でしたか!)ごめんなさい、本当に」

急いでいたもので、ちらりと時計を見てみましたが、放ってすたこらと逃げてしまうほど、自分は人間がダメな訳ではなく、ポケットに入れておいたハンカチを、どこでしょうかと探していると、「あ」その紫髪の方が、小さく人差し指をして「パンツ、見えていますよ」






「………と、そんな出会いを、私はさんとしたんですよ」

時間はほんの少し前にさかのぼって、楓さん、今日はいいお天気ですね、ええそうですねぇ、なんて顔をしていたとき、丁度のタイミングでぴょこんと顔を出して、「あれれ! 君って時田先輩と知り合いだったんだ!」 いつの間に知り合ったの? どうやって? そんな風に無邪気な笑みをにこにことこちらへと向けてきた彼、深水君に、自分達二人も、えーと、たらりと冷や汗を垂らしながら、首を傾げ合ってこんな事に。

隣にほえほえと微笑む楓さんに小さな声で「楓さんパンツってなんですか」と思わず聞いてしまうと、「日本のアニメでは定番なのだそうですよ」 ……に、日本ってよく、分からないです。

ううん、と頭をひねらせると、流石に、深水さんに組織の事はいえませんからね、と小さく笑った楓さんがいた。







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多分時田くんは木野村くんに教わったものかと。
2008.04.15