問題集を広げて、かりかりとペンを走らせていた。
ぴらりと開くノートに、「あ」と気づく。
(……ルーズリーフがないな)


日番谷視点で、第1話   現われたお姫様




通称コンビニ。コンビニエンスストア。
妙に珍しいな、と思いながら俺は自動ドアの前へと行く。
敢えていう事があるのだとしたら、別に俺はコンビニが珍しいんじゃなく、こんな時間(深夜に近い)に、外へ出る事が珍しい、という事だ。

うぃーん、とドアが開く音と一緒に、「いらっしゃいませー」と聞こえる店員の声。けれども俺は、昨日から続く徹夜の所為で、ガンガンとなるこめかみに指を押して、文房具コーナーへと向かった。

適当にルーズリーフと、ついでに消しゴムもなくなりかけてたか、と思ってひっつかむ。財布の中身を計算しながら、ふらりとする体を押さえて、レジへと向かった。


レジを見ると、俺と同じくらいか、年下ぐらいの女が顔を俯せ気味で、ふらりと立っているのが見える。(……おい、大丈夫かよ)と、思わず考えてしまうのを押さえて、「すみません」と、声を掛けた。


ふいにあげた顔。小さく開けられた口。上目がちな瞳。
(……おいおい)

思わずカッ、と火照ってきた顔を、なんとか押さえて、手に持っていたルーズリーフと消しゴムを出す。女は、調子でも悪いのか、ピタリと止まった表情と、手つきに妙に不安になって、「あの、」と声を掛ける。

「す、すみませっ」

ひゃああ、といいながら、値段を読み上げる彼女に、ひょいと小銭を出した。ちゃりちゃりちゃりーん。見事に音を立てて、彼女の手の間から滑り落ちる。「あわわわわ、ごごごごめんなさい!」
真っ赤な顔と、潤んだ瞳に、(…なんだ、このかわいい物体は)
あ、やっべ、なんか心臓がどきどきする。

こっそり、こっそり彼女の胸元(べ、別に意識してソコ見た訳じゃなくて)についたプレートを見た。
あわあわと慌てている彼女の顔の隣に書かれた、という文字(そうか、っていうのか)


下の名前って何だろう、と思いながらビニール袋片手に、帰宅した。


日番谷冬獅郎。17歳。深夜のコンビニして。
本人が意識しているしていない関わらず、お姫様を見つけてしまったらしい。



(……そういえば、そろそろシャーシンがきれそうだったな。今度、買いに来よう)




1000のお題 【675 目を見開く】


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                         アトガキ

シャーシンって、どう変換すればいいんですか。

2007.08.15