………今日も、また、来てしまった。


日番谷視点で、第2話   俺ってヤバくね?




文房具コーナーの前に突っ立って、何か考えてるフリをしながら商品を手に取っては戻す。…いや、別に、今日はアレだ、消しゴムが小さくて使えなくなったから、こうして来てんだよ。…なんてばかばかしい言い訳を、誰が聞いてる訳でもないのに、してみた。あ、ヤベ、なんか泣きたい。

「いらっしゃいませー」

また、彼女の声が聞こえた。ビクリ、と反応する体に、いやいや、俺にいった訳じゃねぇから。落ち着けって、違うから、違うから、違うから!
チラリ、と彼女を盗み見た。今日もレジの担当らしい。週に一回のペースで彼女さんは掃除やら、棚の整理やらをしている。そのときは別に何も買わずに出る俺は、本当にもうダメだ、ストーカーじゃないのコイツとか思われてたらどうしよう、っていうか本気でストーカーじゃね、これって。

はぁ、と小さくしたため息は多分俺にしか聞こえない。泣きたくなるような心臓の音も、俺にしか聞こえてないんだろう。
彼女を見て、知って、毎日来ている、俺。はじめの一週間は、毎日来ていた。時間帯とかも微妙にずらして。その頃ぐらい、俺ちょっとヤバイよな。とか考えてたんだけど、アレだ、俺はコンビニに用があって来ているんだ、と無理矢理自分を思いこませた。

次の二週間目から、さんがこの時間帯にシフトを組んでいる、という事が分かった。ついでに日数も確認できた。
そこら辺になると、俺って本気でヤバイな、と思い始めた(おい今ちょっと遅いなとか思ったろ)(俺だってそう思うよ)

そんなこんなで、俺って〜だ、とか思いつつも、未だに続く深夜のコンビニへの道。
ちらちらと時計を見て、お、そろそろ行くか。なんてちょっと嬉しげな俺は何なんだ。涙が溢れそうだ(冗談だ)(ちょっと潤む程度だ)


ヤバイって、ホントやめとけって。とか思いつつも、右手に掴む、本日お買いあげの商品一つ。


何度目かの、彼女へ向かってのお買いあげに、ホント俺って何なんだ、とか思いながら、値段を口にするさんに、ドキリとして。
(いい加減、慣れろよ俺)


取りあえず、涙の代わりにため息が漏れた。




1000のお題 【331 看板娘(息子)】




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2007.08.16