茶髪にふわふわ。
何だか変な人を発見した。
彼女からの気持ちを一つ
今日は珍しく真田くんと一緒に帰る事が出来た!
今日も今日とて、私はもしかしたら、なんて淡い期待をして、下足場を、ゆっくりゆっくり歩いていた。パカンッと自分の靴入れの扉を開けてふう、と一回、深呼吸。「…あ、れ。、さん」「真田くん」 うわぁやった! 神様ありがとうだね!
なんて思ったのも、グラウンドを横切るくらいまで。 ぴこぴこぴこっ、と可愛らしい音で、真田くんのお友達(英士、と真田くんはいっていた)に呼び出された彼は、「ごめん、」と小さく呟いて、猛ダッシュ! いってらっしゃいをいうタイミングも忘れちゃって、あらら、タイミングが悪かったかな、と真っ青は空を一つ。
(うーん、また明日、会えたらいいか!) 即座にそう思って、明日がものすごく楽しみになるところが、私の長所で、友達に「変!」といわれる所だと思う。
「………あれ」
ぺったん。と地面にくっついて、何だかがっくりとうなだれている、茶色い髪の毛。「へ」一瞬、死んでる? なんて考えて、ぶるりと震えてしまった体は、その茶色い髪の毛が小さく動いたのを見て回復した。(た、たおれて、)
タッタッタ! 気づくと私の足は、さっきの真田君ばりのスピードを出していた!(きゅ、急展開だ!)
大丈夫なの? と訊いて、なんだかその子は妙な笑みを浮かべて、こっくりと頷く。ホントだろうか。とちらちらと色々と観察(失礼だけどごめんね)させてもらったけど、特にどこを怪我しているという訳でもない。ううん、と頭をひねって、「大丈夫なら、うんいいんだけど、なんであんなトコで倒れてたの?」
取りあえず、至極もっともな質問を投げかけたのに、その茶色の子、私と同い年ぐらいで、結構格好いい感じで、今時風な子(もちろん真田君の方が格好いい!)は、またまたへらりと引きつった感じで笑って「えーと、なんでだろう、俺もわっかんないナァ」「記憶そ、」「あ、違う。俺若菜結人、中二」「あ、私、同じく中二」……なんかフレンドリー。
病院、行った方がいいんじゃないかなぁ、と思って、そこの市民病院、つれてってあげようか? と訊いたら、「めっそうもない! 俺元気だし!」 ものすごい勢いで首を振られてしまった(…大丈夫かなホントに)
ううん、と唸って、この子(えーと、若菜くん?)をこのままにしておくのもなぁ。みたいな。あんまり急いでたもんだから辺りに投げ出してしまった私の鞄を拾って、チラリと若菜くんを見ると、パチリと目があった。
「あ、えーと、サン!」
「(名前呼び?)はいなんでしょう」
「あれ、いいの、ほら、さっき彼氏と歩いてたじゃん!」
「かれし?(何をいきなりこの人は)」
「(うわすっごい不審がられてるよ俺!)……あの、えーと、ヘタレなつり目っぽい」
「(…へたれ?)………真田君?」
そういった瞬間、若菜君はぽんっと手を打って、ソレソレ! ……なんでかな、なんか変な違和感が。取りあえず、「ちがうよー彼氏じゃないない」手をぱたぱた。
未だにぺったりと地面にくっついたまんまの若菜くんの手をとって、ひょいっ「…あ、彼氏とかじゃないんだー」……なんか気のせいか棒読み気味だなぁ。
取り合えず、違うよぅ、ともう一回伝えた。そしたら若菜君が、口元をピクピクさせたように「な、仲がよさそうだったから、俺、つ、付き合ってるモンかと思っちゃったナァー!」………なんでそこまで力いっぱい叫んでるの?
なんだかあまりに一生懸命な若菜君を見て、思わずクスリと笑ってしまった(ごめんね)…そうかぁ、真田君が、彼氏かぁ。うん、振られちゃったけど、もし、「………そうだったら、もーっと幸せそうだよね」
思わず、ぽつりと、初対面の人に漏らしてしまって、あちゃちゃっと口元に手を置いた。いきなりごめんなさい、と頭を下げようとしたとき、若菜君は「サン!」「は、はい」「一馬の事好きなの!」「え、」「好きなのって!」
ぎゅ、と握りしめられた手と、八の字眉毛な若菜くんに、ビックリして、ちょこっと体が飛び跳ねた。「…え、ーと」ポリポリ。ほっぺたを人差し指で。
すきなの? 訊かれた言葉が、ぽわぽわっと胸の中にしみこんで、勝手に、頬が、へらっとして、
「……うん、すきだよー」
そういった瞬間、若菜君が、わっと大きく腕を広げた。「はいっサンも、バンザイ!」「え、」「バンザーイ!」
そのまま両手をぎゅ、と握りしめられて、縦にぶんぶんぶん!(な、なんだろう) まるで、自分がいわれた見たいに、にかーっ! と真夏の太陽みたいに微笑んだ若菜君に、なんだかこっちまで嬉しくなってしまう。「サン、一馬の事よろしくね!」
じゃ! といいながら風のように去っていった少年に、面白い子だなぁ、と思って。
(また会えたら、嬉しいかも?)
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2007.11.19
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