| 「う、あう」 私の手の中にはしっかりと、と書かれた、真っ赤な紙が収まっていたのだ。 「え、えいごなんて、だいきらいぃ」 まだ受験生と呼ばれる年齢にはなっていないけれど、このままでは確実に足を引っ張る教科となりつつある、いんぐりっしゅ! ノートの点数と、真面目な授業態度をと心がけているおかげで、今のところ、通知表の二色刷、なんて事はなっていないけれど、こ、これじゃ、これじゃ「だ、大学どうしようぅ」 机にぺったりと張り付いて、ぽろぽろと溢れてくる涙を、くるんと反対に座ってにやつく友人が、「大丈夫だってなら。誰かに養ってもらえそう」 なにそれぇ、とじろっと力一杯見つめてみると、そんな所がぽいんだよ、とにやつかれた。 むむっと、思わずちょん、とつきだしていた唇を、「ばーか」とつっつかれて、「ば、ばかっていう方がばかなんだよ!」 「そりゃいいんだけどさ、今日から部活再開だって」 「ホント!」 「嘘いってどうすんの」 それで元気だしな、とゆっくりと撫でられた頭に、うん、と小さく、頷いて、 「今日は、何作るのかな……!」 るんるん気分で、エプロンをぎゅ、と背中でくくる。冷蔵庫の中に入ってた牛乳がそろそろ駄目になりそうだから、簡単にフレンチトーストとかかもしれない。それともそれとも、今日は時間がたっぷりあるから、グラタンとかかも! 「はうう」 思わずパチン、とほっぺたに手を当てて、うううん、とぶるぶるぶる。みんなで作って、みんなで食べる、なんて楽しいんだろう! あんまりにも楽しみ過ぎて、一人から回ったエプロンと三角巾に、えへへ、と笑いそうになってしまった。 「びば、かていかぶー!!!」 そして世界が反転した。 ぼすん。という音が聞こえた。真っ黒に染まった視界に、足の膝裏と、背中辺りに変な感覚で、ずずんとおしりが重くて安定感がない。「On earth it is what…?」 聞き慣れない発音が、耳の奥でぞわりとくる。(こ、これは……) その声が、とっても低くて若いような、それとも年老いたような、なんともいえないような男の人の声って事は、どうでもよかった。 問題は発音。全ては発音。あろう事なら、学校を卒業すれば聞かない、話さない、勉強しないをこっそり自分の中で掟にしていた、 「Be, and look up.」 暗いと思った視界は、どうやら私がパッチリと目を閉じてしまっていたらしい。その事実に気づいてしまった私は、はっ、と、目を開けた! 赤色のぴょんぴょんとはねて、もしかしたら私よりも長いかもしれない髪の毛。顔半分だけ奇妙に覆った仮面。まっくろくろすけな、分厚い、コート。 ぎゅ、と抱っこされた格好を見て、思った。「Do you hear it?」 「へんたい、さん」 がくりと意識を落としてしまいました。 HOME NEXT 序盤だけ書いて放置していたものを、最後書き上げました。 英語に関しては、変換ソフトに適当に放り込み! ニュアンスだけ通じてください(無茶苦茶な!) 実はトリップものだいすきです。 2008.03.14 |