かちかちと、シャープペンシルのお尻を何度も押した。


復習が足りない




「今日は」

いつもこの書き出しで始まる、私の日課。
真っ白いページに向き直って、頭の中で今日の出来事を反芻中。

「今日は、三上くんに、授業中、消しゴムをぶつけてやりまし、た」

とぎれとぎれの言葉を発しながら、かりかりとペンを動かして、そっくりそのまま口に出した事を写してく。ほんの少しずつ黒く染まっていくノートを見つめて、私はにやりと口元を上げた。
(ぐっすり眠ってた所を、起こしてやった)
きっと今頃、イライラムカムカしているに違いない。

いひひ、なんて年頃の娘にあるまじき笑い方をしている自分。
口にぴったり手を当てて、さながらそれはどっかの魔女のよう。

(明日はもっとイライラさせてやる)

ノートの締めくくりの文字はもう決まってる。

「まだまだ、復習したりない」

よし、と小さく口にして、寮にあるという所為で、小さめの椅子にへと、私はゆっくり腰を埋めた。


それ、間違ってるぞ、なんていって、
突っ込んでくれる人なんて、誰もいない。


1000のお題 【956 復習が足りない】



 

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