今日はこれといって、作戦なんてないんでございます。


神がかり的な逃げ足




作戦がない     だからといって、逃げるのか、15歳。
目の前で、お隣のクラスの渋沢くんと楽しそうにお話し中の、我が天敵から。

(どうしよう)

ドキン。と鳴る胸に手を当てて、真っ赤になりそうな顔を、ぱしん、と叩いて。

(どうしよう)

女は度胸? どっかで聞いた事のある台詞を胸に、いざ立ち上がれ、


「み、みかみあきら」
(なんで声がうわずってんだろう、私)

必死に、開けた口の奥で、どうやって嫌がらせをしよう、ときゅるきゅるきゅるきゅる、と音をたてて、私の脳細胞は周り中(どうしよう!)


「あ? ああ、お前か」
さんじゃないか」
「なんだよ、あっち行けよ」


そんな言い方はないだろう、と渋沢くんに怒られる三上亮。
(別に、私にそっけないのはいつもの事なんだけど)
けど、


「お前じゃない、だもん!」

今まで一回といって、私の名前を呼んだことのない三上亮に、腹が立ったのだ。



(よく分からないけど、逃げるのは私の十八番なのであって、逃げる事にしてみた)




1000のお題 【995 神懸かり的な逃げ足】

渋沢視点へ



2006.10.14