| ぐわりと空には青が広がる。 にゃんこ的ボディーガード ふらつきやすい足場に、ぽん、と乗っかる。瓦がガラリ、と音をたてた。そのまま両足を広げて、目の前へと向き直ってみる。…空が青い。 「と、こんなトコ、人に見られたらマズイな」 さっさと目的を終了させよう。 じ、と目を懲らしめて、の家周辺を見つめた。……問題点、特になし。 「よし、」 黒のランドセルが、背中でカラカラと音をたてる。ぽんっと移動して、隣の家の壁を足場に、トントントン、と下へと向かった。チラリと周りに視線を向けて、誰も俺を見てない事を確認する。 (と、待ち合わせ場所に行かなきゃ) 俺の名前は、笠井竹巳。小学六年生。 それで、現代に残る、忍者だ。 「 ぱたりと彼女へ手を振ると、彼女はぷ、と頬を膨らませて、「竹巳、遅い」。 ゴメン、と手ぱしんと手を合わせて頭を下げて、ちろりと彼女の方を見てみる。くいっと寄せた眉に、別に、そんなに怒ってない、といいたそうなの顔が見えた( 多分、行こうといって、俺の手を引っ張って誤魔化すんだろうな。と考えて一瞬、ぐいっと引っ張られた感触に、ぷ、と笑いがこらえきれなくなりそうだった。 何笑ってるのよ! とちょっと拗ねながら呟く彼女に、「気のせい、気のせい」 俺は、所謂現代に生き残るシノビなのであって、子々孫々と受け継がれている。そして、そのシノビの任務はただ一つ。 家へ、仕える事。 もちろん、彼女たちには秘密だ。 何でか? そんなの当たり前だ。 家に生まれる子供は、代々危機的状況に陥りやすい。簡単に言えば、極端に運が悪くてタイミングも悪いって事。 昔々、家へと大きな恩を頂いた俺の先祖(もちろん忍者だ)は、ほぼ一方的に主従の誓いを結んだ。その誓いは、今の俺の代まで刻々と生き続けている。 くるり、とこっちをは向いた。そんで、「竹巳のバ」おいおい、何だって。 けれどもの言葉を最後まで聞くこともなく、ぐいっと彼女を俺へと引っ張る。からん、と彼女の赤いランドセルにつけられた給食袋の音が鳴った。 「竹巳、なにす」 「あぶない」 それと多分同時。ひゅんっと音がして、丁度が居た位置へと投げ飛ばされた拳程度の石が、アスファルトの地面にぶつかって反射する音が聞こえた。ギリギリ、セーフ。 「ふえっ」 「車が弾いたんだよ」 「へぇ」 意外と驚きの少ないに、彼女は危機感が欠如しているんじゃないかと時々思う。けれども、それはいつもの事で、「そんな事ってあるんだねぇ」とほのぼのと笑っているも、いつもの事だ。 小さな頃から、いわれ続けた事。 を護りなさい。決して怪我などさせぬよう。 そして彼女自身に気づかれることなかれと。 「タクミ、行こう」、と彼女が俺へと微笑みかけた。「うん、行こう」、と俺がいう。 一歩一歩と踏みしめる道で、絶対に、絶対に彼女を護ろう、と心の深くでぽつりとつぶやく。 そして思った。 (……決して、気づかれる事なかれ) 1000のお題 【190 任務完了】 ■ → 2007.08.15 |