今日は小中合同の図書委員会があるんだぜい。
第12話 サボっちゃダメだぜ 1
図書委員会とは。全ての学年の図書委員達が集まり、ちゃんと週の当番を守っていたか、本を借りる上でのマナー、今後の活動予定、等々を話し合ったりする場だ と、さっき中等部の委員長が言っていた。
そんでもって、小中合同図書委員会ってのは、相互の本へ対する意識理解を深めよりよい読書生活を、…えーと、うんぬんかんぬん。
長くて茶色い机の椅子にもたれ掛かるように座って、足をぶんぶんぶん。中等部の図書室は広い。うっわすっげ。とか最初あたりは田舎っこの如く目線をきょろきょろさせてたけど、そろそろ疲れてきた。 暇だなぁ、と思いつつも、目の前と隣でぽっかりと空いた席を見つめる(つまりどういう事なのかというと、中等部の先輩が、一人お休みということだ)(中等部は、各クラスに一人の図書委員らしい)(む、初等部は二人なのに)
むー、ともう一回足をぶるん、と振ったときだった。
「よし、それじゃ恒例の中等部図書室、本整理といこうか!」
びしっ、とすっごいいい笑顔で言ってのけた先輩に、おいおい相互の本に対する意識理解うんぬんかんぬんは一体どこへ と、マヌケな顔になりそうなとき、隣の席に座る、本田君(我が図書委員相方)が、小さな声で「ホントはこれさ、定期的な本整理で、人でが足りないから、初等部から理由つけて来てもらってるんだ」と、教えてくれた。
なるほど確かに、低学年の子達は来ていない(戦力外だからね)
しょうがないか、はーっと息を吐いたとき。
「初等部の子達は、中等部の担当の先輩と一緒にしてくれよ」
………目の前でぽっかりと空いた席。本田くんと、隣でちょっと目を合わせて。
「せんぱい」、とちょいっと手を挙げると、さっきいい笑顔をしてた委員長さんが、「あれ? 何?」とちょこちょこ、こっちに来てくれる。他のクラスの子達はその担当の先輩とやらとご対面してるらしい。可愛そうに、本田くんが、不安そうにきょろきょろと辺りを見回していた。……この小心者め。
「あの、私達の担当のせんぱいは」
「あ、4年の子? ああ、じゃあ中1の子だ」
「もしかして、ここに空いてる席の人ですか」
「ほんとだ。うーん、どうしよう」
委員長さんは、くいっと首を傾げて、「じゃ、僕が担当になろう」とまたまた彼のいい笑顔が見れた。けれどもそんとき、近くに居た女の先輩が、「あれ、彼なら今日学校に来てたよ」と、一言。え、マジで。サボるなよ委員会。
どうしようかな、ともう一回委員長は首を傾げて、「確かテニス部だったよな」といった後に、「僕はここから離れられないし、誰か他の子も、初等部の子の担当だしなぁ」
パンッと、委員長は、手を合わせて、
「君たち二人、ジャンケンして、越前くんを探してきてよ」
そう、私と本田くんに向かっていったのだった。
「ち、チクショウ越前リョーマめ!」
意外だった。ジャンケンなんて一度も勝ったことないぜな小心者オーラを出していた本田君。ふふん、一発KOだ! と意気込んだのがダメだった。十数回のあいこに、最後の最後とチョキに掛けたのが失敗だった。……彼はグーだった。いやまぁ、そんな事はどうでもいいんだけど。
トントン、と足を出して、コンクリートの廊下に音が響いた。何だっけ、テニス部? しらねーよ。どこだよばかっ。キイ! と壁をパンチしつつ(いやもちろん、図書室から離れた場所におります私)「いいんちょーのあほー!」うん、ちょびっとすっきりした。
「…何してるのかな」
すると丁度階段近くに居たらしい。びーん、と響く声に、茶髪で、目が開いてない(え、だってホントに開いてないんだもん)人が、ぴょこん、と廊下側に顔を出す。何してるのかな、の言葉の裏側には、きっと、なんで小学生がいるのかな、といっている(気がする)
「テニス部を、さがしているのです」
取り敢えず用件だけコイツに聞き出そう、と思って、ちょっといってみた。その茶髪の兄ちゃんは、ふうん、といって、右手を顎の下にちょこん、と乗せる。…む、決まってるぜ。
「テニス部の、ファンの子?」
ダメだよ、中等部まで来ちゃ
さ、初等部まで送ってあげる、なんて言葉と共に、がっと首根っこを掴まれて、そのままずるずると歩き始めた茶髪糸目! え、ナニコレもしかして手塚先生再びな状況なのマジで!(しかもなんか強制だし)「ちょ、ちが、テニス部に」「だからダメだって」「いやダメじゃなくて」「はいはい戻ろうね」…ダメだ全然取り合ってくんない!
いい加減、私の、堪忍袋の緒も、ちょこっと亀裂が入っちゃったりして、 おらっといいながら、首根っこの糸目の手を振り払うように、右足を軸にぐるん、と回った。
「え、」とちょっとマヌケな糸目の声が聞こえる。でもちょっとムカついていたので、そのまま勢いを付けて ばしっ!
「こンの……っ、いとめヤロウがーーーーー!!!!」
捨てぜりふを忘れずに、糸目から、私は逃げ去った。
ちくしょー、越前リョーマ! 全部お前の所為だかんな!
その時、私は知らなかった。糸目ヤロウの名前が、不二ってので、そんでもって、私がぶったたいた所(弁慶の泣き所)を押さえつつ、「ふふふ…」なんて不気味に笑ってる事なんて。
人生って…恐ろしい。

2007.07.03
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