かわいかった。
ぶっちゃけ、ちびちび雲雀さんは、この世のものと思えない程、かわいかった
第4話 育成計画逆源氏
一体何が気に入ったのか、雲雀さんは、私の部屋の中で唯一他人がくつろげそうな、ソファーにぼすんと仰向けにつっこんで、じっとしている。
え、ちょ、なにこれなにこれ何なのこの状況ゥゥゥゥウウ!!!
(と、昨日までの私なら思っていたかもしれないけどね……っ!)
「恭弥くん、テレビ見る?」
「………ん」
ちらりと顔をこっちに向けて、小さく頷く。ソファーの皮の間に埋もれた小さなからだが、どうしようもなく可愛い!(うああああ、順風満帆!)
テレビのチャンネルに、手を伸ばして、ピッ! ういいいん、と電子的な音を立てて映った、おニューのテレビは、丁度小学校低学年の子達が喜びそうな、お兄さんとお姉さんと、たくさんの子ども達がわらわらと映る番組になっている。ぶっちゃけ、私はこんなの面白くもなんともないし(というか、そんな時期はとっくに過ぎてしまった!)雲雀さんも と、いいたいところ、なんだけ、ど。
視界の端っこにチラチラと写る彼は、気のせいか、さっきよりも顔の世出面積が増えて、小さく、小刻みに、震えている。ぶっちゃけいうと、リズムをとっているのだ!(うはぁぁっぁあ!)
よくよく考えれば、この雲雀さんは、バイオレンスでもなんでもなく、ただの、お子様、な、訳で(当たり前っちゃ当たり前なんだけどね)
雲雀さんにも、こんな純粋な時期があったんだなぁ、と当たり前ながらに思ってしまった。
つまり、そうつまりだ。このまま純粋が続けば、バイオレンスな雲雀さんを見る事はなくなるけど、その代わりといっちゃなんだが、純粋培養の雲雀さん、という本誌じゃ到底お目にかかる事ができないレアものを見る事が出来るんじゃないでしょうかさん!
想像をして、本気で鼻血が出そうになった。目をふさげば、リズミカルな音楽が聞こえるし、目を開けば、雲雀さんの素敵リズムとりを見る事が出来る。
(幸い、彼は私を気に入っているらしい)
………これは、純粋計画、できるんじゃないか? わたし
ぶるり、と体の中でなんともいえない想像が巻き起こった。ふつふつと興奮の根が、体の端っこの方に住み着いて、なんともいえない奇妙な感覚に、「うひいいい」
ああ、なんというか
「神様ありがとう、咬み殺さない…っ!」
半分私の口癖となっているかみころす。これを彼の口から聞く事もなくなるんだろうなあ、と感慨深く、小さな声でいった(はずなのに)
雲雀さんが、ソファーから顔を放してちらりとこっちを見る。こくん、と傾げた首が、途方もなく可愛かったけれども、ここで「もえー!!!」なんて叫んで心証最悪にしてしまったら台無しだ。台無しだ!
「………かみころす?」
生 咬 み 殺 す !
いやいやいや、そんな興奮してる場合じゃない。大きく頭を振って、雲雀さんの小さな肩を、ガシッ!
「おおっと恭弥くんどうしたのそんな物騒なコトバ!」
「さっき、いってた」 「いってないよいってないよ激しくいってないよォオォオォオオ!」
リアル雲雀さんを見てみたい気がしないでもないけれど、それ以上に純粋雲雀だ!
「恭弥くんさっきのコトバは絶対絶対忘れようね!」
訳が分からない、そんな顔をしながら、こくん、と頷いた雲雀さんを確認して、よしよし、と小さく頭を撫でる。ふんっとそっぽを向いて、ほんの少し耳が赤い彼を、無茶苦茶抱きしめたくなった(けれどもそこまでしちゃだめだぞ自分!)
そして私は、心の中でひっそりと拳を高く上げて、私の計画は始まったばかりだ! と叫んだのだった(邪魔するヤツはかみころす!)
(つーか私もいい加減この口癖なんとかしないとな!)
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2008.01.28
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