未だに朝の制服チェックは続いているらしい第14話 そりゃあ怒るぜ雲雀だもん「今朝も3人連れてかれたのみたよ」 「こわいねーさん」 「ねー」 とか言って私は沢田と向かい合いながら一心不乱に朝の宿題へと挑む。色々混乱しすぎて宿題どころじゃなかったのだ! と言えば聞こえはいいが、ぶっちゃけギリギリタイムである。その隣では「ははは! 必死だな!」とか山本が笑っている。獄寺は沢田の宿題を手伝おうとして鉛筆を取り出したのだが、山本がにこにこ笑いながら抑え込んでいた。自分の宿題は自分でやれってことなのだろうか。 それで三人連れて行かれたとはなんの話かというと雲雀さんである。噂の恭弥くんは今日も今日とて元気に咬みついていた。ハハハ、本当に元気だな、一体どんな風に育ったのかな……(笑) とかほほえましく思う反面絶対あれだろ、私がいなくなってから今の間におもくそひねくれてしまったんだろうガァアアアア!!! と今書いている宿題のノートに激しく頭をつっぷした挙句シャーペンをたたき割りたい衝動にかられた。 いやね、いいと思うよ。かっこいいと思うよ、がじがじ咬みつく雲雀さん。萌えますよ、最強じゃないですか、一ファンとしては幸せの極みです超しあわせーな訳なのだが、恭弥くんとしては別問題だ。私はガリガリ鉛筆を動かしながら、『一体どこで間違えた』とノートに書き込んだ。そしてニヤッとした。 正面で必死にシャーペンを動かす沢田が「真面目にやろうよさん」と呟いた。 「十代目の手をわずらわせるなクソ女ァー!!」 「ははは、獄寺おちつこうぜー」 今日も晩御飯来るのなかぁ……と思いつつ、とりあえずご飯の材料は二人分購入した うん、うん、どうしよう……どうしよう……と私は檻の中のチンパンジーのごとくテーブルの周りをぐるぐると回った。作ってしまったオムライスが湯気をたたせている。それにしても私は何でオムライスなんて作ってしまったんだろうか。冷えたら寂しくなる料理ナンバーワンじゃないの……! レンジでチンしたら卵がぱさぱさになるじゃないの……!! ひいいいい、と咬み殺すフラグがちゃくちゃくと立つこの状況に私は小さく体育ずわりをした。そしてその体勢ででんぐり返しを繰り返してみた。そう、落ちつくためのでんぐり返しである。くるくるくる。おちつけ……おちつけ私……恭弥くん、そう、来るのは恭弥くんなのだ。大丈夫かみ殺されたりなんかしない。昨夜そう分かったじゃないの……!「いける! ふごあぁ!」 がごんっ 壁にぶつかった瞬間強かに打ち付けた頭を私は押さえた。たんこぶできました、とふらふらと立ち上がった瞬間、背後に恭弥くんが立っていたことに気付いた。恭弥くんはじっとこっちを見下ろす。私はさすさすと頭をなでる。 じっと私は恭弥くんを見つめた。恭弥くんは私を見つめた。お互い目線を合わせる。私は静かに恭弥くんに念波を送った。(………つっこめ……)もしこれで、恭弥くんがつっこんでくれたら。(…………つっこめ……!)何してるんだよ、馬鹿だなぁハハハ! やだ雲雀先輩、恥ずかしいところを見られちゃったてへ! みたいな朗らかなトークと空気が待っているではないか! こんな光景、つっこまずにはいられないはず!(さぁつっこめ!!) 「、今日の晩御飯はオムライス?」 「スルーツッコミ!?」 ちくしょう負けたァ! なんてことはさておき、私と恭弥くんはオムライスに向かった。いやはや、湯気がほかほかの温かいうちに来てくれてよかったよかった……と二人で手を合わせていただきます、と頭を下げる。恭弥くんがスプーンを握った。私も握る。あむあむと頂く。なかなかおいしく出来上がりました。恭弥くんも無言で頂く。結構気にいったのだろうか。 「雲雀先輩って、意外とオムライスとかハンバーグみたな、お子様向けっぽいの好きですよねー」 だから私は調子に乗ってしまったのかもしれない。スプーンを片手にふりふりとしてにこやかに話しかけてしまった。いつもの恭弥くんのテンションで。 しかしその瞬間、恭弥くんは激しくテーブルを拳で叩いた。がごんっ!! という音と一緒にとびはねたオムライスのお皿やらコップやらが一瞬宙に浮く。コップの中身からお茶がこぼれた。 あ、やべえ。死んだ。 私は一瞬のうちに全てを理解した。調子に乗りましたすみません。さーっと体温が下がって体が冷たくなる。土下座だ。もう土下座しかない、そう、土下座……!!「」「……は、はいい!!」 「なんでオムライスの中にピーマンが入ってるんだ……!!」 しばしの静寂が流れた。 「健康に、いいかとおもいまして……」 取りあえずスプーンを握ったままじっと恭弥くんを見つめる。恭弥くんは「そう、それならしょうがないけど。今度から先に行って」といいながら、私が小さくきざんだピーマンを、それはそれは嫌そうな顔でほおばる。「はい……」と私は頷いた。そして恭弥くんは、真剣な表情でこちらを見た。「しいたけとニンジンを入れるときも言いなよ」 そしてむぐむぐとほっぺを膨らませる。 とりあえず私は何を言ったらいいかわかんなくなって、「好き嫌いは駄目ですよー」と呟いた。 しかしながら、好き嫌いをする恭弥くんちょっと萌え、とか結構本気で思った。 ← ■ → 2010.12.26 |