告白したら?
誤解されやすい人は、決意した
やっぱり俺は、机につっぷして、ぺたんと体をくっつけるように、ため息を吐いた「はー」 告白したら? ユンが書いた文章のはずなのに、ユンの軽い口調まで伝わってくるメールに、俺は何の返事も返せないままで。
(………こくはく)
四つの文字が、頭の中でぐるぐる回って、思わず教室の中にいるさんを見つめた。(こくはく)じーっと見つめていると、さんの隣で笑う、えーと、誰だっけ。さんの友達に、じろっと睨まれて、思わずビクリと反応してしまった俺の体が情けない。(こくはく。だれが? おれが?)
また小さく、小さくうずくまって、今度はこっそり見る事にした(俺が。さんに)そうだよ、俺が。さんに
そう考えただけで、ぶるっと体が震える。俺が。さんに。 もし、もし「好きなんです」といったとして、そういわれたさんは、一体どんな表情をするんだろう。今更? って笑うだろうか。そうなの。って、流されるんだろうか、それとも、もう他に好きな子が、とか、あなたなんてもう好きじゃ ズキズキズキ。あ、胃が痛くなってきた(ついでに頭も痛い)
(もし、それ以外だとしたら。うん、私も、とにっこりと、微笑んで、)
ピンク色の想像にふけりながら、こっそり、こっそり、彼女をみる。ドキドキする。心臓がいたい。ぎゅ、と唇を噛んで、小さく、息をもらして。(知らなかった)俺、知らなかった。(告白って、こんなに、こんなに)
辛くて、しんどくて、勇気がいるなんて
(それなのに、俺、ろくな返事も、しないで)
ガリッ、とひっかいた机は、白い線を残す。茶色の中に、すっと伸びる線は、随分不格好なようで、混じきれない、俺のようで、(さんは、)
(さんは、今、俺のことどう思っているんだろう)
ふいに、ぱちっ、とさんと目があった。バタバタ慌てる俺と違って、さんは、今まで話していた友達に、軽く手をふって、(そのとき俺は、またさんの友達に睨まれた)ちょんちょんちょん、と可愛らしく足音をたてて(俺にはそう聞こえる!)、俺の近くへと寄ってくる。よって、よって!?
「真田くん、なぁに?」
「へ、いや、あの」
「だって、何か言いたげに、ずっと見てたでしょ」
分かるんだから、とでも言いたげに、ふふんと胸をはる彼女。
すーっと胸の内から冷めてきたように、頭の中で思う。(さん、あなたは俺の事、今でも好きですか)
きっときっと、これはとっても卑怯な質問だ。 彼女だったら。きっと、にこっ、ととっても綺麗に微笑みながら、「ええ」といってくれる。そんな気がした。ぱくっと動かした口は、勝手に形を作る。「さん、」「なぁに?」
「さんって、」
きょとん、と大きく目を開く、彼女を見た。
(違うだろ、俺)(うん、違う)
いいや、と軽く首を振った。
「俺、さんの事、すきです」
1000のお題 【172 口説き文句】

2007.12.03
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