「それってフラれたって事?」
彼女からの現状報告
「ん、な、なに」
思わず。この間お友達に言われた言葉を思い出して、じー、と真田くんを見つめていたら、さすがに訝しんだように、ほんの少しどもって私へ向き直る、彼。ほんのちょっぴりピンクに染まった頬が可愛らしくて、思わず頬がゆるんでしまいそう。「ううん、なんでもないよ」
にへら、ってした私の顔を見てなのか、隣の席にどすん、と座る真田くんは、ぷい、とそっぽを向いてしまう。……う、ちょっと残念。けれども小さな声で、「……そっか」 と、彼の返事に、また嬉しくなって頬がゆるゆるになってしまう。
『それって、フラれたって事?』
(……そっか、私ってそうなのかも)
好きです。って行った私。うん。って返事した彼。
(うん、私、フラれたのよね)
一瞬心の中でその言葉を繰り返して、けどまたふわふわした、幸せな気持ちにつつまれた(……違うの)ぽかぽか暖かくなって、ゆらりと吹くような風が、心に(うん、違うのよ)
ゆっくりと、ゆっくりと、あの時の気持ちを思いだした。
付き合って欲しいとか、そんなんじゃなくて(確かに一緒にいれたら嬉しいけど)
私は彼に、私の気持ちを知って欲しいな、って思って、
『うん』
たったヒトコト。たった二文字。けれどもけれども、ゆっくりと響く甘い言葉に、とってもとっても、とってもとっても、私は、
隣に座る彼を見た。机につけた頬杖に、時々パチリ、と目が合う。その度に、にっこりと私が笑えば、ぽ、と頬を赤くする。そんな、そんな彼を見て、
『すきです』
きっときっと、私だってヒトコトで、たったの四文字だったけど。けれどももの凄く、もの凄く、精一杯の私の気持ちで。
真っ赤に頬を染める彼がいて、それを見つめる私がいて。
たったそれだけ。うん、たったそれだけなのよ。それだけで、それだけで、
(ものすごーく、幸せになれるのよ)
アンタって変よ。
思わず頭の中で、彼女に言われたような気がした(幸せだからいーの!)
1000のお題 【854 楽観的な運命論者】

2007.09.02
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