「じゃあね」



>>イルミ様お出かけする



キル様がいなくなってからも、俺は相変わらずぶちぶちと草を引っこ抜き、庭のハゲを着実に増やしていった。この頃頭があんまり働かないためか、ゴトーさんも特に何もいわず、頑張れよと、ぽんと肩を叩く。
頑張りまーす、えいえいおー。我ながら覇気がないようなかけ声を、かるく片手をあげながら頑張ってみる。えいえいおー。

「………なにやってんの、
「あっれイルミ様おでかけですか」
「うん。それでなにやってるの」
「一人かけ声」
「難しそうだね」
「暇なんですよ」

根っこまで抜く事も、そろそろ面倒くさくなってきた。上の緑の草の部分だけ握りしめ、上へとひっぱると、中途半端に地面へと跡が残る。「あー」

それを人差し指でこりこりひっかくと、「何かいうことないの」とイルミ様が、ちょこんとヤンキー座りで俺の前へと座った。
いうこと。いうこと。いうこと。「あー、いってらっしゃいませ」「うん」

キルア様お元気かなぁ、大丈夫かなぁ、と回らない頭で、ぐるりと顔半分に巻いた包帯を、左手でさする。やっぱりまだ肉がつかない。

「母さんが、キル探してこいってさ」
「へぇ」
「でも俺面倒くさいからハンター試験受けに行くよ」
「イルミ様ハンターになるんですか」
「ならない」
「ですよねぇ」
「うん」
「面倒くさいってなんですか」

ちょっとツッコミが遅かった。真っ黒いお目々でイルミ様はじいっとこっちを見てきたので、「殺さないでくださいね」と念を押す。うん、と彼は頷いたけれど、やっぱりじいっと見られると、何だか恐い。

「取りあえず、俺がこのお庭、ハゲにするまでには帰ってきますかねぇ」
「うん、帰るよ」
「キルア様」
「ややこしいいい方しないでね」


ぷつん、ともう一度、引っ張った。

「いってらっしゃいませ」




1000のお題 【201 無意味な会話】

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2008.09.09