キル様がいなくなって、早数ヶ月。



>>ゴトーさんフォローした



指折り数えてみた。キルア様、いったいどれくらいいないんだろ、会ってないんだろう。天空闘技場やらなんとかいう場所に行かれている間は、数年単位で待っていた気がする。けれども、それに満たないとしても、もの凄く寂しかった。やばい泣きそう。(せめてさよならくらい、)


俺は無言で床の上へと直接体育座りをして、顔を伏せる。はーあ、と重々しいため息を何度か吐いていると、「」聞き慣れた声が聞こえる。
これがキルア様だったらいいのに、と考えたけれど、こんな野太いキルア様の声はいやだ。「なんスか、ゴトーさん」「いや、その、荒れているな」「なんですかゴトーさん」
微かのゴトーさんのメガネがずれた。

「そのう、飲むか」
「お酒よりもオレンジジュースの方が好きだったりします」
「………」
「ちなみに100パーセントでお願いします」

ゴトーさんは激しく無視した。

そして彼は、元々は俺の為に持ってきたであろうコップを、くいと喉に通し、向かいのイスへと前のめりに座った。「少し意外だ」残っている手のひらは膝につき、それに習って俺もソファーへと腰を下ろす。「………なにが、意外ですか」
彼は微かに言葉を濁すに表情を変え、メガネを人差し指で、くいっ、と上へと上げる。

「まぁその、あれだ、お前がてっきりついて行くかと」
「起きたときには顔面えぐられてました」
「………飛び出すかと」
「俺ってそんな信用ないスか」

歪めた唇は、苦笑いにもとうていおいつかない。はーあ、とついたため息は重く、気分をどんどんと沈ませてくれる。まったくもってありがたくもない。
もう一度、コップをあおりながらゴトーさんは「我慢は体によくはない」と呟いた。それと一緒に小さな声で、「まさかこんな台詞をお前に言う事になるとは」と呟いていた声は聞かなかった事にした。

「まぁ、の傷が治る頃には、帰ってこられるさ」
「………あっは、これ直りませんて」

ゴトーさんなりの励ましに、少しだけ、笑った。
(それからまた数ヶ月後、キルア様はゾルディック家へと戻られたのだった)



1000のお題 【784 後ろ向きな励まし方】


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2008.09.28