「クロスアターック!!」


第18話  再びボーイミーツガール




手を十字にからませて、たったった、と足で助走をつけつつ、ほいアタック! ポイント的には頭から猛烈なスピードで踏み込み、ていやんでい、気分は爆弾岩! が合い言葉とするべきって感じだろうか。
ところが私のテンションが相まって叫んだ台詞も空しく、狙ったはずの、ちょっとにゃんこ目ちび先輩は、くるんと綺麗に方向転換。「ああああああー!!!!」ドンガラガッシャーン! って音が聞こえた気がした。



「ううう、ひどい、はんせいしてるのに、ひ、ひどい」
「バカだよねホント」
「うるさい越前リョーマ。お前がよけるから、わるいんだ!」
「巻き添えくって一緒に委員長にしぼられた俺がかわいそうとか、」
「ばーかお前は、こないだ委員会、さぼったことでおこられたんだよばーか!」
「バカっていう方がバカって、日本じゃいうよね」
「ばかっていう方がばかっていう方がばかなんだよばーか!」

ガッターン! とギイギイとなるパイプ椅子が、机に思いっきり押しつけて、ぶつけられたような音がした(いやようっていうか、たぶん、うん)「ちょっと越前くんさん、ちゃんとしてるの」
ガンガンガンッ。いい加減暴力で訴えるのはやめて欲しいとちろりと思いながら、隣の越前リョーマと「「ヘーイ」」 お仕置きとばかりに渡された大量の本と一緒に、ビシッと敬礼(ただでさえ、今日は合同委員会なのに、プラスでノルマですよ奥さん!)(ねぇ奥さんって誰)(私の思考に割り込むな越前リョーマ!)

それならいいけど。と委員長さんは、ふーっとため息をついて、じゃあ俺、準備室で待ってるから、終わったら声を掛けてね、とがらがらと音のなる引き戸をあけて、あっさりと出て行ってしまった。オウ!

「…………………越前リョーマのばーか」
「…………まだいうワケ」

ふんっとお互い鼻をならして(まったく! がきんちょですなこの子は!)段ボール箱につめられた、おろしたての本達を、ゆっくりと出していく。さっさと帰ってしまった相方(なはずの)本田くんに、恨みの電波を送信してみた。受け取れテレパシィー!

「びびびびびびび」
「……………なにいってんの」
「ひとりごとなんで気にしないで、くだすわい」
「……………お前ってさぁ、ホント意味わかんないよね」
部長のこと、先生とか言い出すし


ぼそっと呟かれた言葉が、耳に痛い。あの恐怖の筋肉痛の日々を思い返しながら思わずアアア! と叫んでしまいそうだ。がんがんがんっと本棚を無心に叩いていると、委員長の気配を感じたのでやめた(えへ)


「まぁよかったじゃん。先輩達に気に入られて」
「よくない。あいつらうざい。レギュラーこゆい」
「………俺もレギュラーなんだけど」
「こゆくち」
「(何いってんのこれ)………」


がたん、がたん。ほんの少し埋まっていく、スペースに、もうちょっとだね越前リョーマ。と声をかけてみた。がったん、がったん。暫く返ってこない返事に、「ちょっときいてるの、越前リョーマ!」
「あのさぁ」がったん。がったん。つん、とつり上がった目を、ほんの少しさげながら、がったん、となる音に合わせて、越前リョーマがぽろっといった「俺の名前、リョーマなんだけど」「知ってるよ、越前リョーマ」「………まぁいいけど」
がったん、がったん。



ああそうだ。


「リョーマ、カルピンげんき?」
「え、なんで知ってんの」




  


2007.12.01