は明日、学校に行く。



05


「ひょうてい? 評定平均か? 俺結構いいぜ」
「違う、氷帝だ」

いつもの如く、我が物顔で俺の部屋に侵入して、唯一のざぶとんをボスボスと蹴り上げる。おいおい、せめて座れよ一個しかないんだから「なにー、りょー」「別に。なんでもね」

「俺テストなんて受けた覚えないんだけどなぁ」
「あっちの学校での成績でも送ったんだろ」
「なるほど」

俺はこいつと話をしながら、他の事に、頭を回転させていた。四角形の四本足の机にほおづえをついて、ガリガリと頬をひっかく。昔はこうすりゃ長い髪の毛も一緒に触っちまったもんだけど、今じゃそんな事もない。
(………は、この家を出て行く気だ)
ボスボスボス。こらこら埃が立つだろやめろ

なんなんだろう、変な気分がもやりと包み込んで、イライラする。なんなんだよいいんじゃね別にいいんじゃねそうしてぇんだろ、の好きにさせりゃいい(…けど)

「あー、わっかんね」
「何が?」
「ああもうチクショウ」
「何だよもう」

お前の事だよ、この馬鹿野郎!(あ、ヤロウじゃないか)
妙にイラっとしていて、思わずの頭をぶん殴りたくなる!(くっそ!)


「っていうかさぁ、亮。俺やっぱ、制服スカートなのかなぁ」
「そうじゃねぇの」
「アアアアアア! やだよー絶対、やだ!」

ボスボスボスボスボス! あまりの連打に、俺の座布団がほんの少しずつひひゃけている。俺は頭の中で、一瞬がスカート姿でくるんっと一回転するのを想像してみた。……ふわりと柔らかい円をスカートが描いた(想像の中で)…………一瞬パンツ見えた(想像の中で)
…………普通に、かわいくね?


「やだよー俺そんなのにあわねーよ慰み者にされるよー」ごろんごろん。今度は勢い余って床に頭をこすりつけながらくるくる回るを見て、なんだろう、俺はどうすればいいんだろう。スカート似合ってるよ! そんな事伊達メガネの関西弁ぐらいだいえるのは(だいたい俺がいう所を想像したくない)なんだよ俺どうすんの。これ放置かよ放置なのかよあと慰み者の意味違う!

そんな中で、ちらりとが俺を見た。な、亮もそう思うよな? あ、なんか今声聞こえたんですけど!(意味わっかんね!)

「………あー、ああ、うん」
「だよなー」
「…に、にあっ、…………………女らしくなる一歩と考えたらいいんじゃね」
「そうかなるほどそれならば!」

俺のばかやろう。思わず涙が出そうだ。


例え見せしめになったとしても、叔母さんを安心させるためだもんな! にかっといい笑顔で笑う理由が、宍戸家を出て行きたいとイコールなのだ。なんかまたイラっと俺はした。
「………そんなのより、彼氏の一人でもつくりゃ母さんも安心すんじゃねぇの」「え、亮今何いった?」

え、俺今何いった?

微妙にしーん、とした沈黙に、一瞬自分がいった言葉を思い返してみた。『………そんなのより、彼氏の一人でもつくりゃ母さんも安心すんじゃねぇの』…………あれ俺何いった?
「い、今のナシ! わすれてくれ!」 バタバタ手の前を振って、叫ぶ俺はマヌケくさいと思う。

でもこれってあれか、そうだよな。
今の今まで同じだと思っていた性別のヤツと、はピ      じ、自主規制!(まぁいつかは、って問題だけどな!)

みるみるうちに真っ赤になったの顔色を見て、本気で俺やっちまった、って思った。やっちまった。ホントやっちまった。何でもっとこう物事を考えて      「亮!」「はい!」

真っ赤な、真っ赤な顔のまま、はそう、がしっと。がしっと、俺のて、手を、つ、つかんで、机の上に、がばっと、身を、乗り出して、(ちょ、見えるから、見えるから谷間!)

(あれもしかしてこれ俺がお相手に、)(ままままさかそんな)(え、マジで、いいのいいのこれいいの)


「俺からもどうぞよろし」
「なにそれ彼氏ってなんかいい方法あんの!?」





あれ?











そのあと俺はどちらかというと低い点数の国語の知識をフル活動して、に恋愛とは何か恋人とは何かという事を延々と話し続けるはめになった。(なにこれすっごい泣けてくる)
「へーすげーなー。亮って物知りだ!」「お前がしらなさすぎるんだよ!!」



  


2007.11.06