私は、一体、これからどうするべきなんだろう。
グシグシグシ。カラカラの葉っぱを押しつぶしながら、考えた。
しっかりともんで小さくぱらぱらな粉になった葉っぱを、台置きの上にのせて、石で出来たコロコロと転がる車輪をころころころ。(粉々になれー粉々になれー)
そんな単調な作業を繰り返して、道の端っこに敷いた薄っぺらい布が、他の人に踏まれてないか確認した。そんでもって『準備中』と立てかけた看板をチラリと見る。
(………私は、どうするべきなんだろう)
コロコロと回すごとに小さく細かく、粒のようになってしまう木の葉。(第一目的はハッキリしてる)あの紋章を、また私の右腕に収めなければいけない。不老となる事も、力に固執している訳ではない(……このまま、何も知らず、老いて死ぬべきなのだろうか)いいやと軽く首を振った。何にではないが許される訳がないし、この葉っぱのようにカラカラにひからびる生き方しか、私には分からないし、知らない(…………それに、彼を一人になんて、できない)
彼は、生きているだろうか。いや生きているべきだ。………じゃないと、私の行動は全て否定されてしまう(長く長く、生きてきたけれど)それでも。
私は、どうするべきなんだろう。
また思った。コロンと転がる車輪が抵抗がなくなるほどに粉とされた草を、袋の中に、ゆっくりと零さないように詰める。(………私は、死んだ)なんで、ソウルイーターへと喰われてしまった魂が舞い戻ったのかは分からない。もしかしたら、彼が長年の相棒(魂喰いの事だ)をギリギリのラインで止めてしまったのかもしれないし、私の制御が甘かったのかもしれないし、はたまた、ただたんに呪いで染まりきった私の魂がまずかっただけなのかもしれない(私の紋章の事はこの際考えないでおこう。ウィンディにとられてしまったのだと考えると、夜も眠れない)
ただただはっきりする事実としては、私は死んだのだ。
は死んだ。あれから何十年もたってしまったが、死んだ。
何年も昔に死んだ友人が、突然ひょっこり現われたとなるとどう思うだろう? 私は、の記憶を持っている私は、私ではないのかもしれない。
ズキズキと痛くなる頭を見ないフリをして、袋の中にいれた粉をカサカサと音がなるように振る。同じ音がどうか、ゆっくりと確かめるのだ(紋章を、探さなきゃ)
(とにかく、紋章は、争いを呼ぶ。そして、その争いの中心となるのが
)
ぽちゃん、と水の音がした。何の音かとビクリと体を引きつらせると、自分の傍らにと置いておいた大きな桶が、中で静かに波紋を広げる(………なんだろう)じっと見つめた。ほんの少しずつ変化する波紋の渦がくるくると私に何かを伝えようとする(これは、)
はじけた。
違う。水が、はじけたのではない。はじかれたのだ。
「
あら、薬屋さん?」
優しく響く、ハープのようなけれどもしっかりと前を見据えられたほんの少し茶が混じる瞳に、体がびくりと震える。手に持った袋が、がさりと落としてしまいそうになったのを、ぎゅ、と握りしめる事で、なんとか抑えた。
(この人、は)
真っ赤に燃える炎が見える。パチパチとはじけ飛んだ火花に、ぎゅ、と目を瞑ってしまいそうになって、
(…………天魁、星)
太陽の光に、薄く透ける髪の色を持った彼女に、私は、炎を見た。
2007.11.24