認めないなんて、(あくまで心の中で)大口を叩いてから一週間

「お! 、今日も朝から元気だなっ」
「はい! 鷹士さんも朝から元気モリモリですね」

俺は日曜の朝っぱらから俺は面白いものを見た。


第3話  自分は○○ッス



「お前、鷹士さんと仲良かったんだな」
「はい! 自分と鷹士さんはお洗濯仲間です」

それが何なのか俺にはよく分からないが、ソイツの中では意志の疎通が出来ていると思っているのだろう。ふんふん、と鼻歌を歌いながら、スキップらんらんとキッチンへと移動するソイツ。

(というか)

今初めて考えたんだけどよ

「お前、っていうのか」
「はい、そうですご主人様!」

その“ご主人様”にばしんと座っていたテーブルをぶったたいた。

「…すみません、剣之助さん」

ここ一週間でご主人様問題も解決(?)した。
家事、手伝いをしてくれるのは非常に助かる(そのお陰で本来の目的である菓子作りもままならないのだが)(バレないようにこっそり作るのは手間がかかる)
しかし、しかしだ。俺はご主人様と呼ばれ、うれしがる様な性癖は持ち合わせていない。ありえないやめてくれ。

明らかにぶーたれた顔をしているソイツ。
けれども近所に俺が変な趣味を持ち合わせていると噂でも流れたらもう少しで始まる高校生ライフが台無しだ(別に元々特に期待などしていないが)

「苗字は」
「え?」
「苗字は、なんなんだよお前」

何が嬉しいのか、ニコニコと笑って、初めて剣之助さんから質問が来ました! と高い声のトーンで叫ぶ(別に耳障りって訳じゃない)

聞きたいですか、聞きたいですよね! と一人で興奮するソイツをみて、ああコイツは馬鹿なんだと今更ながらに思う。

「自分は橘 です!」

今なんてった

「橘です!」

別に珍しいって訳じゃない俺の苗字だけれども、嫌な予感が頭を過ぎる。

「自分の仮の姿は剣之助さんのイトコッス」
ほら、赤の他人が住み込んでちゃ変じゃないですか



(ていうか、その変な状況を作ったのはお前らだろうが)
何故か胸をはって、嬉しそうにふんぞり返るソイツを思いっきり殴りたくなった。