「のおおおおおーーーー!!!」

裂けたスーパーの袋。

目の前にごろごろ転がって行く、真っ赤な塊。



それは、コツン、と誰かの足に当たった。


第10話  スーパーの袋のバカン





「いやー、すみません」
「ん? いいよ別にー」

にぱっとこっちまで明るくなる、ワンコみたいな笑顔の男の子。
癒される、癒されるよ。まるで自分の周りの空気がほわわわ〜っと清浄なものに変わってく感じまでします。うおおう、一家に一台(人?)欲しいなぁ。

「…でも、」

トコトココンクリートの上を歩いて行って、ちょっと買いすぎてしまった自分の荷物が、今は彼の鞄の中に収まっているのを見て、情けない気分になってしまった。
絶対、重いよなぁ、アレ。と思いながら、やっぱり自分が持った方がいいんじゃないかな、とちろちろっと這わせた目線に、少年(ワンコ)はまた、にぱっと笑う。

「僕、男の子なんだから、大丈夫だよっ!」

片手を目線の高さに合わせて、力こぶ


…かーわーいー


微妙に心の中で悶えている自分を知ってか知らずか(知られてたら憤死しますよ)きゅーん、とワンコは尻尾と耳を下げた。ないけどね。ないけどあるの。

「リンゴ、大丈夫かな」
「だいじょぶです。すり下ろしってのも中々ですから」


ああでも


「大丈夫かな」
ご主人様が


好き嫌いの無い、我がご主人を思い浮かべて、ぱたぱたと手で消し去った。そんな自分をきょとんと、不思議そうに見つめるワンコ。
えーと、と一つの前置きに、自分は家政婦なんです。とワンコにいった。
けれども、ワンコはきょとんとした目を、もっときょとん、とさせて自分を見つめる。なんですか。


「あの、えーと…」
「あ、です」
「ああ、僕は深水颯大だよー、じゃなくてね」
「はあ」
くん、何歳?」


むむう、と一年一年頭の中でりぴーとしてみる。


「15歳?(疑問系だけど)」


ええーーーーーー! っと、声が響いた。





  


2006.08.21