指折り数えて15歳。
目の前のワンワン(おっと深水くんだった)目をぱちくり、びっくりんこ?


第11話  正直者




「え? 15って、僕と同い年なの!」
「…自分そんなに老けて見えますか」

寧ろ童顔の域に入っていると自負していたのですが。
っていうか自分はアナタと同じ年ってのにビックリなんですが(だってちまっこいやん)(ご主人と同い年とは思えません)(あれ、よく考えたら、自分も同じ年?)

そーじゃなくてねっ! と深水君は大きく頭を振って、トレードマーク(なんとなく)のサンバイザーへと手を伸ばし、ぎゅ、と握る。

なんとなく、ああ、と納得。


「義務教育は終了してますよ」
(外国に飛ぶ事が多かったから、そこんとこ微妙なんだけど)


へえ、そうなの、と。只一言、ぽつり。


コメントがしづらいだろう話に、取り敢えず二人で目を合わせないでとぼとぼと帰宅への道を進むだけだ。ちょい、と左手の時計を確認すると、もうちょっとで針が真っ直ぐ垂直に立つ。ご主人様の約束は守れそうだ(6時まで帰ってくるなって結構ヒドイですよね)



顔を上げた空は、少しずつ茜色に染まってる。じわじわと混じる色合いに、深水君の瞳の中に映し出していた。

「大変なんだね」

何気なしに掛けられた言葉に、頭の中がぼーっとして、タイヘンダネ、とぐるぐると文字が手を取り合って踊り出す。ダンスの所為で、中々頭の中の形がまとまらない。

「…そんなにストレートにいわれたの、初めてかもです」
「でも大変でしょ?」

くるりと向けられた顔。瞳の中の空の色。

「大変ですねぇ」

(こんなにストレートにいったのも、初めてかもしれません)

案外するりと洩れた言葉に、ちょっと自分でも意外で。
何故だか足取りが軽くなった気がした。




君。お家の方向こっちで大丈夫?」
「はい、大丈夫ですよ」
「へー、僕もこっちなんだ! 案外近いかもね」
「んー、近いといっても自分の場合、勤めさせてもらっているお宅なんですよねぇ」
君、そこの家の家政婦さんなんだ」
「はいそ…う…? ……! いやいやいやイトコです、えーと、今は事情があり、イトコの家政婦さんなんです!!(ヤッベー!)」
「同じマンションとかだったら笑えるね!」
「そうですねー」
「「あっはっはー」」


その笑いが、ちょっと渇いたものに変わるまで、あとちょっと





  


2006.08.24