ガリガリガリガリガリガリガリ 「うあっ、手ぇつった!」 「真面目になります真面目になります真面目になります真面目になります真面目になります真面目になります真面目になります真面目になります真面目になります真面目になります真面目になります真面目になります真面目になります真面目になります」 「ちょっとマグナ、お前きもい」 「真面目になります!」 半分泣きべそをかきながらも、の召喚主である、マグナは一心不乱にペンを振り回していた。飛び散るインクをせめてもの気遣いだとタオルで拭きながら、今朝方彼の兄弟子であるネスティ・バスクに大目玉を食らったのだ。あれ、ネスティ・バンクだったっけ。そんな銀行っぽい名前だったっけ。 勉強は嫌い、召喚の授業にも出ない、やることといえばお昼寝だけ。ぐうすか気持ちよさそうな表情でゴロゴロと部屋で転がっていたマグナの腹を、あの青白くひょろいような印象を受ける、メガネの兄さんが、ゴスッ! と足をふみおろし、「そんな事でを元の世界に戻す気はあるのか!」 取りあえずは思った。暴力はいけないぜ兄さん。 明日までに1000回真面目になりますと書いて僕に提出しろ! と泣きべそを書くマグナへとネスティはいいおろし、そのまま颯爽と部屋へと消えた。 一体そんな事をして、ホントに真面目になるのかどうか。自分なら絶対ぐれてばっくれてやる所なのだが、案外真面目にマグナは机へと向かう。多分ネスティが恐いんだろう。 そう、彼、は召喚された。リィンバウムと呼ばれるこの世界へと、彼は落っこちた。その事について、多少の焦りやら不安やらなにやらはあったが、混乱はしていない。なぜなら自分には、深崎籐矢という前例があるのだし、彼はしっかりと還ってこれた。おそらく、あちらとこちらでの時間の経過は、まったくもって違うんじゃないだろうか。 だから自分の両親が、を捜し途方にくれるという事もない。多分。 『君の世界に還せないみたいなんだどうしよう』 と髪の色と同じように、真っ青な表情でそういわれたときは、殺意を通り越して呆れもしたが、しょうがない。今ではシルターンの召喚獣だと偽り、マグナの護衛獣だと派閥には報告しているとネスティはいう。実際には、勉強の大嫌いな彼によって結ばれた誓約は、ほころびだらけで使えたもんじゃない、とネスティがぼやいていたが、にはよく分からない。 君の世界に還す為に、僕も、マグナも最善の努力をしよう。 そう彼はいったが、別にはそこまで気にしている訳ではなかった。自分はソルに会えば終了だ。何しろ彼は二度、あちらの世界まで行ったのだから。ついでに久しぶりに籐矢と会って、話題に華を咲かせたい。 (問題は、ソルがいる時代なのかどうかって事なんだけどな) もしかしたらここは、何百年も後の世界で、ソルが死んじゃった後だったりして。 あり得ない話ではないので、少し凹みそうだ。 「真面目になります真面目になります真面目になります」 ガリガリとペンを叩きつけるような音をBGMに、はー、とため息をつき、マグナのベッドに寝ころんだ。「ー、代わってくれよう」「やだよンなの」 思いっきり真っ黒になった手のひらで、の体を揺すろうとしたマグナは、「汚れるやめろ」との思いっきりしたキックで、腹を貫かれた。げふり。 「なんでだよー、お前俺の召喚獣なんだろー」 「召喚獣だって人権を主張する。応援くらいしてやるよ、がんばぁ」 「ああ生暖かいっ」 「がんばぁ」 「さっさとやんないと、ネスに怒られるー!」 1000のお題 【385 締切りは明日】 BACK TOP NEXT 2008.09.16 |